2009-07-09(Thu)

耐震診断を邪魔するもの

知人から耐震診断をたのまれた。木造の診断ならば よくやっているので二つ返事なのだが、鉄筋コンクリートの6階建てとくるから 困ってしまった。いま、例の15兆円補正予算で、耐震改修は大忙しらしく、診断をする会社はどこも3ヶ月待ちとか言っているようだ。

詳細な診断になると、やり方も本格的で何百万もかかる。専用の何十万もするソフトを使わないと、とても計算できない。
今回は、一次診断という簡易な方法なので、なんとか自力でやってみることにした。それにつけても、まずはマニュアルを手に入れなくてはならない。こういうものは、国土交通省の天下り団体が独占している。

耐震診断については、(財)日本建築防災協会というところが一手に引き受けていて、テキストもそこから買うしかないのだが、なんと、14000円もする。1400円じゃない。
法律に準じるような、建築の基準を公表するのに、なんでこんなにバカ高い金をとるのだろう。ほんとなら、タダで配るべきじゃないのか。

ちなみに、コの手のテキストを売り出すときは、かならずバカ高い料金の講習会が開かれる。大きなホールに詰め込まれて、1万5千円くらいとられる。すべて、天下りの稼ぎをひねり出すためだ。

六法全書でも、建築法規集でも、国が守れと決めたものは、国の責任でタダで周知すべきだ。

では、せめて図書館にあるだろうと思ったら、ほとんどない。
吹田市などの衛星都市はもちろん、大阪府立中央図書館にもない。大阪市の中央図書館に1冊だけ発見して、大慌てで飛んでいった。
ところが、その移動時間の間に誰かが借りていってしまったのである・・・・

仕方がないから、お取り寄せすることにしたのだが、憤懣やるかたないので、ここに書いている次第。

なにか社会的な問題が起きるたびに、官僚は焼け太りをするというのは、耐震偽装など建築をぐる問題でも同じ。構造計算書に、設計者が記名捺印するのは当然だけれども、最近は、これでもかと言うほど何枚も同じような書類を書かされる。

たとえば、安全証明書とかいう紙っぺらを書かされ、構造計算書と割り印までするようになっている。計算書に捺印しているのだから、それに責任があるのは自明なのに、屋上屋を重ねるようにする理由は、ただひとつ。 「行政は、いっさい責任ありません」という証明をしたいだけ。

こんな紙を1枚余計に書いたからと言って、建物の安全性が上がるわけではない。
それどころか、余計な手続きがやたらと増えたおかげで、本来の計算や設計にかける手間は減らさざるをえないくらいだ。

構造計算や確認申請だけではない。設計事務所には管理建築士を一人決めなくてはならない。この管理建築士の講習会というのも義務になった。そして、その形式的な講習会でも1万5千円也 が徴収される。
内容のある講習ならば、それでも意味はあるが・・・


本気で建築や構造や耐震診断のレベルアップを図り、都市の安全を守りたいのならば、せめてマニュアルくらいはすべての図書館に備え付けて、常識的な料金で販売し、会場費程度の費用で講習会を頻繁にやってもらいたいものだ。

天下りを食わせるために、非常識な料金を業界が負担するというスキームは、もういい加減にやめにしてほしい。


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No title

今日、ブログを読ませていただきました。
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(追伸)
私も家づくりに役立つブログ、比較サイトをやっております。
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反戦な家作り…このタイトル、意味があるのですか?

No title

日本国が、
経済的に落ちぶれて

余裕のない国になっていくのは
与野党、官庁、裏社会

利権に絡むすべてにとって、

良い反省材料になるだろうか。

No title

やはり官には期待てきないということですか…。
それにしても耐震診断って大変なんでしょうね。
私も一応理系出たんですが、材料力学とか、
何とか力学とかで、微分積分駆使して
やるんでしょうね。お疲れ様でございます。
何とか、庶民を守る為にがんばって下さい!

日本はおかしい

ホント、氷山の一角という言葉がぴったりの
事例なんでしょうね。

政府や官僚に都合のいいことばっかり
知らぬまに決めちゃって、釈然としないです。
しかも、間違った知識を押し付けられてるし。

あまり期待できないけど、民主党が政権とって
公約通りに官僚の悪事を許さなければ
今よりかなり、よくなるんですけどね。

まさに・・・

おっしゃる通り。
何かあるたびに責任を業界に押し付けて新しいルールを作っては焼け太り。
耐震偽装もそうですが、自分たちの責任を棚上げし、それを追及しようとした業界を締め上げるような姿勢でこの国に真の安全は訪れませんね。

例えばなのですが、保険屋が確認審査機関のようなものも兼ねて強制保険ということにするような手段を取れば、建築屋と保険屋の利害相反があるのできちんとした安全性かその後の保障が生まれるのですが、官僚がやっている限りはそういうことは絶対になりませんよね。
市場の利害相反が良いと安直に言ってはなりませんが、官僚どもは自分の利だけで動いているのでそれよりは良いと私は思ってしまいますね~。

しかし14.000円か・・・
本当にどこのボッタクリだよ・・・

介護保険業界にも‥

ワーキングプア対策をとか言ってる介護保険業界でも、事業所情報の開示が半義務付けられて、関連団体に高額な調査費用を支払うというシステム導入が数年前にありました。

情報開示といっても相手は高齢者ですから、特にネットで活用されること自体がまだまだ有り得ない話なうえに、特定の事業所のサービスの質などを図る基準にすらならないようなお粗末な情報内容で、ただ建て前を取って付けたようなものでした。

半義務付けというのは、協力しないと行政の重点的監査対象にされるというお触れがあったためです。

まさに天下りのための搾取で、業界内では猛反発がありましたが、例のごとくメディアではその事実に関して取り上げられることはありませんでした。
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