2009-09-15(Tue)

見学会のお知らせ

大阪の中心部に近い場所で、木の家を作ろうという試みは、思いのほか苦戦を強いられた。

専門の人ならば知っているように、準防火地域で木造の3階建てを作るには、非常にきびしい規制がある。
もう、木造をつくらせまい つくらせまい という意図がにじみ出てくるような規制がある。

2階建てならば、それほどきつくないけれども、地価の高い中心地で2階建ての家に住むのは、むしろ贅沢の部類になってしまう。否応なく3階建てになる場合が多い。

ところが、日本の建築行政、というか建築業界全体が、木造を一段低いモノに見ている。
木造の本当の力を評価せずに、頭から「弱い」「燃える」という考えで法律も作っているから、他の工法に比べても、ものすごく規制が厳しい。

例えば、耐火構造という認定をするにも、コンクリートはフリーパスで「耐火構造」と認められている。
ところが、木造は厳しい実験をやって、構造部分にちょっとでも焦げ目がついたらアウトだ。
コンクリートでも同じような実験をすれば、爆裂したり強度低下したりすることがあるのは、よく知られているのに。
木造は実害のない程度の焦げでもアウトで、コンクリートはフリーパスなのだ。

なんだか、森喜朗の息子のアヘン窟で買春疑惑はフリーパスで、田中美絵子さんのコスプレ取材は大問題になるのと似ている。
そこまで言ったらコンクリートがかわいそうか。

それはともかく、都心部で、木の家の味を残した家を建てるには、いくつかのハードルをクリアしなくてはならない。
この障害競走にはいくつかのコースがある。
一番多いのは、木の部分を全部囲ってしまうコース。石膏ボードで柱も梁も構造の部分は全部囲ってしまう。だから、できあがりは木造なんだか鉄骨なんだかコンクリートなんだかよく分からない。
普通の住宅は、黙っていてもそんな作りだからそれで良いけれども、私の設計する木の家は、そんなんじゃ困る。

次に多いのは、窓を小さくするというコース。やはり窓が一番火に弱いので、それを小さくしてしまえという理屈。これも、開放的な家を希望されるお施主さんにはとてもツライ。

そこで今回は、秘策を使った。専門用語で「ロー1準耐火」というのだけれども、外壁をコンクリートと同じくらいの耐火構造にするかわりに、中身や窓には大きな規制がかからないというコース。
簡単なようで、実は相当難しい。
というか、おそらく今までやった人がいない。
国土交通省の外郭団体に聞いても、「そんなことできるの?」てな調子。

昨年の今頃から役所関係を回って協議を重ねて、最終的に確認申請が通ったのが今年の5月。
そこまでで力尽きそうになったけれども、現場が始まってからがまた大変だった。
外壁の内側に強化石膏ボードの厚さ21㎜というやつを2枚重ねにする。
文字で書くのは簡単だけれども、実際にこれをするのにどれだけ大工の汗が流れたか・・・

後から あーやればよかった こーやればよかったと思うことはドンドン出てくる。
(推定)本邦初だからしょうがないとはいえ、若い大工さんチームはよく耐えてやってくれたもんだと思う。

そうこうしながら、なんとか今月末には完成する。
木と和紙と漆喰でできた、しかも火事には抜群に強い家が。

せっかくなので、お施主さんの了解をいただいて見学会をさせてもらうことにした。

10月4日(日) 11時~15時 大阪府守口市内

詳細は、連絡をいただいた方にお知らせします
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No title

以下、どう思われますか?

  http://labaq.com/archives/51266499.html
  正気とは思えない…積み木のように積み上げた巨大な団地が建設予定

いやむしろ、日本の建築士は、目から鱗、かもしれない。
設計コストはかさむだろうけど
ただのノッポタワーより、「免震構造」にできるかもしれない。

ビルは、こんにゃくのように揺れる。
当然、一番上は、横揺れで飛ばされた人や家具が窓から落ちるほどである。

しかし、フレームワークであった場合、揺れの計算さえしっかりしておけば、均等に揺れたりと、力学的な均等配分が可能に、なるはずだが。
要するに、吊り橋は全部おなじく揺られるのみ。

No title

最近は外来種のシロアリが猛威を振るい始めていると聞いていますが、木造建築物は将来どうなるのでしょうか?

大阪市は家屋密集がすごいですから厳しいのはやむをえないでしょう。

姫路周辺では敷地も広いし、宮大工が多くいますから(祭り屋台の生産が盛んな関係)伝統建築をよく見ますね。

鶴見区の第二寝屋川沿いに住宅が多数建築されていますが、足場を築くスペースさえ無い家ばかりです。壁の塗り替えとかどうするんでしょうかね?

ところで亀井静香氏が郵政担当、金融大臣になりましたね。これで竹中平蔵の証人喚問と逮捕が現実的になってきました。

申込みについて

コメント欄で、なおかつ住所不明で申込みをされる方がおられますが、連絡のしようがありません。住所氏名電話番号を明記の上、お申し込みいただきますようお願いします。

No title

間違ったモノが氾濫し
正しいモノは追い出される

聖書でなくても描いてありそうな「こうなると破滅です」

主婦パートと学生バイターが
経営側のコスト意識だけで全国の現場を埋め尽くし
日本の製造業は終了するのです。

ネジの閉め方も知らんというのは
クギなんか打てないってレベルでね。

ああいう群れは、おしゃべり、しかも悪口が好きだからね。
職人とか、ベテランとかが、むしろ少数派で追い出される。

お互い、肌にあわんでしょう、

口うるさくて、周囲と違ったことをやる、蔵人って、
バイト連中からはうざったいと言うことで。

最上部では、総理の孫が総理を継承しても担いきれなくてつぶれて言ってる。
おなじ法則で、上から下まで同時崩壊。

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