2009-09-29(Tue)
鳩山首相のIOC出席の本当の目的
鳩山政権が始動して、2週間。まだ2週間なのだけれども、非常に存在感を示している。
これは、マスコミがことさらに難題をふっかけて、苦しんでいる姿を報道しているせいでもあるが、それ以上に、なかなか巧妙な政治さばきをしているからだ。
正直言って、民主党中心の政権は、最初の半年くらいは素人ぶりを発揮して右往左往するだろうと思っていた。
ところがどっこい、大臣の人事をはじめ、非常に巧い身のこなしをしている。
藤井財務大臣の円高容認の姿勢も、一時的な株安を伴うとはいえ、「生活を立て直して消費を刺激する」という方針にとっては、まったく正しいと言える。
当面は、税金をつかって国民生活を下支えしていくのだから、国債が売れなくてはどうにもならない。
現状では日本の国債は、90%くらい国内で購入されているようだが、円が強ければ外資にも買ってもらうことができる。
鳩山政権にとって、最悪のシナリオは国債が売れなくなることだ。
国民生活のレベルでも、円が安くなると言うことは、これだけモノが海外から入ってくる以上、持っているお金が目減りすることになる。
食糧自給率40%ということは60%が輸入されているのであり、円が安くなれば食料の価格にすぐ跳ね返るということだ。
輸入100%の石油は言うまでもない。
こうして円安インフレになってしまうと、タダでさえ財政出動でインフレの危険が大きい状況では、歯止めがきかなくなるかもしれない。
そうなったら、生活再建から経済立て直しというシナリオは消し飛ぶばかりか、金利の急上昇からとんでもない事態がおきる。
ながらく低金利が続いてきたところに、一気に金利が上昇すれば、借金経営の会社(ほとんどがそうだ)は、バタバタと倒産するだろう。
住宅ローンなども、返済不能で自己破産が続出。保証会社だってアブナイ。
なにより、最大の借金王=日本国が返済不能に陥るだろう。
だから、インフレを招く円安は、現政権にとって容認できない政策のはずだ。
ではなぜ、いままで円高は罪悪視されていたのかというと、トヨタを筆頭に輸出企業の都合もあるが、それ以上に、アメリカのドルを支えるためだった。
ドル安を避けるために、結果的に円高安になるように、気の遠くなるような公金を投じて、円を売ってドルを買ってきた。
その額や なんと、1,042,340,000,000ドルである。およそ100兆円ぶん。
これだけのお金を、アメリカのため、ドル防衛のために 日本はため込んでいる。使えない金として。
こんな馬鹿なことは、もうやめましょう というのが、藤井大臣の発言の行間にあるのではないか。
そんなわけで、輸出企業が、ギリギリ想定している範囲で、円高基調にしていくという方針は、現実的な政策として、まったく正しいと思うのである。
ところが、鳩山首相の国際オリンピック委員会への出席は、巧みな民主党らしからぬ、お粗末な行動のように見える。
なんだか、石原慎太郎の下請けをやっているようで、見ていて恥ずかしい。
と思っていたのだが、よく考えてみると、これも裏があるような気がしてきた。
つまり、鳩山さんが1泊3日でコペンハーゲンまで行くのは、都知事選の準備なのじゃないか ということ。
たしかに、招致には反対の声が大きいが、日本人の気質として、IOC総会をボイコットしたり、真っ正面から辞退したりすると、非常にウケが悪いということを計算しているのだろう。
どうせ、東京に決まる可能性は低いということを踏まえて、やるだけやったけれどもダメだったということにしておけば、責任は全部石原に押しつけて、都知事選に臨むことができる。
これは、なかなか巧妙な作戦ではないか。
もちろん、コペンハーゲンくんだりまで行く、もう一つの目的はオバマに会うことだ。
経済の面でも、軍事の面でも、自民党とは一線を画した綱渡りの対米方針をとる以上、あらゆる機会を利用してコミュニケーションをとろうとするのは、当然のことだろう。
原理原則から言えば、もちろんオリンピックなんて、即座に辞退して、これまで使った金を石原に弁償させて、コペンハーゲンに行っているヒマに他の仕事をするべきだろうが、現実的にはこんな裏があるのではないかと、私は想像するのである。
贔屓の引き倒しだろうか・・・
参考: 10月2日がやってきます。 脱藩官僚 縦横無尽(59)

にほんブログ村
これは、マスコミがことさらに難題をふっかけて、苦しんでいる姿を報道しているせいでもあるが、それ以上に、なかなか巧妙な政治さばきをしているからだ。
正直言って、民主党中心の政権は、最初の半年くらいは素人ぶりを発揮して右往左往するだろうと思っていた。
ところがどっこい、大臣の人事をはじめ、非常に巧い身のこなしをしている。
藤井財務大臣の円高容認の姿勢も、一時的な株安を伴うとはいえ、「生活を立て直して消費を刺激する」という方針にとっては、まったく正しいと言える。
当面は、税金をつかって国民生活を下支えしていくのだから、国債が売れなくてはどうにもならない。
現状では日本の国債は、90%くらい国内で購入されているようだが、円が強ければ外資にも買ってもらうことができる。
鳩山政権にとって、最悪のシナリオは国債が売れなくなることだ。
国民生活のレベルでも、円が安くなると言うことは、これだけモノが海外から入ってくる以上、持っているお金が目減りすることになる。
食糧自給率40%ということは60%が輸入されているのであり、円が安くなれば食料の価格にすぐ跳ね返るということだ。
輸入100%の石油は言うまでもない。
こうして円安インフレになってしまうと、タダでさえ財政出動でインフレの危険が大きい状況では、歯止めがきかなくなるかもしれない。
そうなったら、生活再建から経済立て直しというシナリオは消し飛ぶばかりか、金利の急上昇からとんでもない事態がおきる。
ながらく低金利が続いてきたところに、一気に金利が上昇すれば、借金経営の会社(ほとんどがそうだ)は、バタバタと倒産するだろう。
住宅ローンなども、返済不能で自己破産が続出。保証会社だってアブナイ。
なにより、最大の借金王=日本国が返済不能に陥るだろう。
だから、インフレを招く円安は、現政権にとって容認できない政策のはずだ。
ではなぜ、いままで円高は罪悪視されていたのかというと、トヨタを筆頭に輸出企業の都合もあるが、それ以上に、アメリカのドルを支えるためだった。
ドル安を避けるために、結果的に円
その額や なんと、1,042,340,000,000ドルである。およそ100兆円ぶん。
これだけのお金を、アメリカのため、ドル防衛のために 日本はため込んでいる。使えない金として。
こんな馬鹿なことは、もうやめましょう というのが、藤井大臣の発言の行間にあるのではないか。
そんなわけで、輸出企業が、ギリギリ想定している範囲で、円高基調にしていくという方針は、現実的な政策として、まったく正しいと思うのである。
ところが、鳩山首相の国際オリンピック委員会への出席は、巧みな民主党らしからぬ、お粗末な行動のように見える。
なんだか、石原慎太郎の下請けをやっているようで、見ていて恥ずかしい。
と思っていたのだが、よく考えてみると、これも裏があるような気がしてきた。
つまり、鳩山さんが1泊3日でコペンハーゲンまで行くのは、都知事選の準備なのじゃないか ということ。
たしかに、招致には反対の声が大きいが、日本人の気質として、IOC総会をボイコットしたり、真っ正面から辞退したりすると、非常にウケが悪いということを計算しているのだろう。
どうせ、東京に決まる可能性は低いということを踏まえて、やるだけやったけれどもダメだったということにしておけば、責任は全部石原に押しつけて、都知事選に臨むことができる。
これは、なかなか巧妙な作戦ではないか。
もちろん、コペンハーゲンくんだりまで行く、もう一つの目的はオバマに会うことだ。
経済の面でも、軍事の面でも、自民党とは一線を画した綱渡りの対米方針をとる以上、あらゆる機会を利用してコミュニケーションをとろうとするのは、当然のことだろう。
原理原則から言えば、もちろんオリンピックなんて、即座に辞退して、これまで使った金を石原に弁償させて、コペンハーゲンに行っているヒマに他の仕事をするべきだろうが、現実的にはこんな裏があるのではないかと、私は想像するのである。
贔屓の引き倒しだろうか・・・
参考: 10月2日がやってきます。 脱藩官僚 縦横無尽(59)

にほんブログ村
- 関連記事
-
- 沖縄集会2万人に焦りまくる産経新聞 (2009/11/09)
- あと3週間で 時限爆弾 が炸裂する (2009/11/09)
- 普天間の問題は引き延ばし作戦が正解だ (2009/10/18)
- 岡田外相のアフガン訪問について (2009/10/11)
- なぜ辺野古なんだろう?(普天間問題) (2009/10/11)
- 長島昭久は罷免してあげたらどうか (2009/10/07)
- 植草一秀さんの今後の活動に期待したい (2009/10/06)
- 鳩山首相のIOC出席の本当の目的 (2009/09/29)
- 八ツ場ダムの責任とは? (2009/09/24)
- 民主党が勝った理由 (2009/09/01)
- 民主党議員の通信簿 (2009/08/31)
- 残念! 保坂展人さん落選 (2009/08/31)
- 選挙区は民主(推薦)、比例区は社民 (2009/08/30)
- 石原伸晃の税金パー券 (2009/08/28)
- 公職選挙法146条に違反している自民党パンフ (2009/08/26)