2009-10-11(Sun)

岡田外相のアフガン訪問について

岡田外相が、現在アフガニスタンを訪問している。
「電撃」でしか行くことができないということに、当地が「戦地」であることが端的に示されている。

岡田外相は、危険を冒してまで何をしに言ったのか。
もちろん、アホらしい給油活動をやめて、代わりに何をするのか決めるために行ったというのが、公式な話であろう。
が、素直じゃない私は、裏を考えてしまう。

偶然ではない事実として、ときを同じくして、防衛政務官がアメリカへ行く。
例の「給油続けろ」発言をした長島昭久である。

1日先に外務大臣がアフガン現地に入り、「生活支援と和平プロセス」という要望を聞いてしまえば、いくら防衛省が工作しようが、長島がはねっかえろうが、「タリバン殲滅と給油活動」という流れは封じられる。

岡田外相がアフガン電撃訪問=民生支援強化を大統領に表明
2009.10.11 時事通信

(カルザイ)大統領は電力、高等教育、農業などの分野での支援を要請するとともに、「日本にはそうした支援に加え、アフガンの和平プロセスを促進する役割を果たしてほしい」と述べた。会談では、海自の給油活動に関するやりとりはなかったという。

しかも、カルザイの対立候補であったアブドラ・アブドラ元外相とも会談し、見せかけとはいえ「アフガンの総意」のような体裁を整えている。
そればかりか、今やセットで考えなくてはならなくなったパキスタンにも行くという。

あたりまえの話だが、このような電撃訪問が、制空権を握る米軍の許可なくできるわけがなく、オバマの許しをもらって行ったことは間違いない。
というか、オバマが米国内の世論に押されて、表だって口にできないことを、カルザイやアブドラの口を通じて岡田に伝えた、という構図ではないのか。

日本の戦争大好き勢力と、アメリカの戦争中毒勢力が結託して、ゾウハダ キュウユダ と騒ぎ立てる前に打ったこの一手は、非常に大きなものだったと言える。

ちなみに、「和平プロセス」という、わかったような分からないような言葉について。
イマドキは、自衛隊の募集ポスターに「平和を仕事にする」なんて書いてあるくらいだから、和平プロセス=タリバンとの戦争じゃないのか と思われるかもしれない。

が、日本で使われるような好い加減な「和平」はともかく、国際的に「和平」と使われたら、それは平和工作(peace move)であり、戦争終結努力 のことを指す。
「戦争を激烈化して、何年か先に結果的に終わらせる」 という意味では使わない。

産経などは、さっきの時事通信と同じ部分を、

カルザイ大統領は「電力、高等教育、農業などアフガンにはさらに支援を必要としている分野がある。日本にはそうした支援に加え、アフガンの和平プロセスを促進する役割を果たしてほしい」と述べ、農業などの民生分野のほか、イスラム原理主義勢力タリバンによる自爆テロなどで悪化している治安を回復するため、和平プロセスへの支援を要請した。
2009.10.11 産経

と、勝手に「治安の回復のため云々」という文言を挿入し、まるでタリバンをやっつけることが「和平プロセス」であるかのように書いているが、見る限り他のメディアではこのような文言は一切ない。
だいたい、カルザイの発言のカッコに入っていない。

こうやって、和平=戦争 かのように日本語をすらねじ曲げる産経などの戦争大好き勢力は、相変わらずおぞましい。
そう言えば、ベトナム戦争のとき、故小田実氏は、平和を和平と言うことにすでにゴマカシがあると指摘していたように記憶するが、今や、和平とは戦争のこと というところまで来てしまった。

ちなみに、少し前の記事だが、こんな企画もあるようだ。

11月に東京でアフガン和平会議 米も参加、給油撤収の環境整備

2009.9.19 共同通信

結局、昨日書いた辺野古の問題と同じで、「アメリカの要請」「日米同盟のため」と言われるものの実態は、実は日本の戦争大好き勢力の要請であり、「アメリカにすがりつくため」のものだということ。

そして、今、鳩山政権がこれまでの流れを、なんとかかんとか変えようとしている。
アメーバか軟体動物のようで、決然としてとはとても言い難いが、それでも結構がんばっている。

そうやって時間を稼いでいる間に、私たちは何を考えるべきなのか。

それは、ポスト日米安保。
あるいは、どうやって我が身を守るのか、ということ。
アメリカのエサになることに抵抗する人たちの中にも、これについては、なんの統一見解もない。
というか、強大な日本軍を! という連中から、非武装中立まで、まったく呉越同舟なのである。

ただ一つ、ハッキリしていること、譲れないことは、私たちや子どもたちは、これからの世の中をいきていかなくちゃならない、ということ。
もし本当に、エキセントリックな連中が言うように、日本に軍事力がなくなったら、あっという間に北朝鮮が責めてきて、日本人は1人残らず奴隷にされるか殺されてしまう、というのならば、たしかに非武装中立は困った話だ。

今のところは、9条と自衛隊の共存という、現状維持を望む人が、数字の上では多数を占めるのだろう。
しかし、それは、在日米軍の存在とアメリカの庇護という想定のもとでだ。

在日米軍が本国に引き揚げ、日本は日本で生きて行きなさいよ、と正面切って言われたとき、私たちはどういう判断をし、選択をするのか。

米軍に泣いてすがるのか、改憲→日本軍創設に走るのか、現状のまま何となく様子を見るのか、思い切って軍隊をなくしてしまうのか。
ここを避けて、アメリカのエサから脱却することはできない。

何となく現状のまま、ということは、実際の力学から言って、たぶんあり得ない。
改憲・日本軍という勢力の前に、あまりにも無力であり説得力がないからだ。

まったく観念的に「非暴力不服従のガンジー主義」を提唱することも、なにかオカシイような気がする。
ちょっと余談になるが、ガンジーについては、個人的な伝記ばかりで、どういう時代背景のなかで非暴力の運動を成功させたのか、という視点で独立運動を解説した本が見あたらないということも、注意する必要がある。
政治的歴史的にガンジーの運動を総括している本を図書館や立ち読みで探しているのだけれども、なかなか見つからない。ご存じの方は、ぜひ教えていただきたい。

想像するに、ガンジーをちゃんと分析することはタブーなのだろう。
非暴力を称揚する立場からは、歴史的に限定された舞台でのみ成功したということは、認めたくない。
他方で、ある条件の下では非暴力は有効であるというこが証明されるのは、軍事力万能神話に穴が空くことになる。
双方からタブー視された結果、ガンジーは革命家でも政治家でもなく「偉人」にされてしまった。
と、想像している。

それはともかく、そもそも、何から何を守るのか、ということから、根本的にとらえ返さないと、「外国から日本を守る」という、わかったようで実は良く分からない構図に洗脳されたままでは、答えには近づけない。
が、この洗脳は、あまりにも深く染みこんでしまったから、どういう切り口で考えたり語ったりすればいいのか、これまたよく分からないが、歴史は確実に動き出している。
逃げずに考えなくては。

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