2009-10-20(Tue)

郷原信郎氏の総務省顧問に怯えるテレビ局

郷原信郎氏が、法務省ではなく総務省の顧問になったと言うことは、非常に大きな意味を持っている。

マスゴミ各社は、冷や汗を流してこのニュースを流しているに違いない。

郷原氏は、コンプライアンスの専門家である。
すなわち、企業が法律を守っているかチェックすること。

総務省が管轄する企業とは何か。
言わずと知れた、テレビ局である。

放送局は5年ごとに免許の更新があり、これまでも総務省は報道機関に対して大きな権限をもっていた。
だから自民党時代は、「拉致問題を報道せよ」なんていう大本営発表のような命令を、総務大臣が放送局に発したりしていたわけだ。

ところが、昨年くらいから政府とマスコミの力関係が逆転してきたという。
その結果、昨年の免許更新は、何の審査もなくフリーパスだったらしい。

知らぬは一般国民ばかりなり 放送局に免許剥奪がない理由
2009年01月15日 週刊ダイアモンド

(略)だが、2008年の再免許がもうひとつ異常だったのは、過去には必ず行われてきた「再免許ヒアリング」(放送局に対する個別の事情聴取)のプロセスがなかったことである。(略)

通常、再免許の時期が近づくと、放送事故や不祥事などでスネに傷を持つ放送局は、ビクビクしながら1年以上前から事情聴取の準備を進める。(略)

総務省は、事情聴取で放送局を締め上げようとしても、いつもと違って反撃されてしまいかねなかったので、中止したのだ。ローカル局から、「現実的に、アナログ放送を止められるかどうかは視聴者がテレビを買い換えてくれるかどうかの問題です。地デジの認知度は低いままですが、総務省は、なにをしているのですか?」と切り返されたら、答えに窮してしまう。それが今回、横並びで再免許になった“真相”なのである。

逆に言えば、だからこそ放送局は、どんなに世間の批判が激しくても、放送免許を剥奪される事態を考える必要がない。不祥事続きであっても、免許更新は既定路線になっていたからだ。(略)
(引用終わり)


こうして、なんでもあり のお墨付きを得たマスゴミ各社は、3月の小沢秘書逮捕から今日の新政権叩きに至る、常軌を逸した偏向報道を続けているのである。

そこに、コンプライアンスの鬼である郷原氏の登場だ。
今頃、全放送局のシュレッダーは、うなりを上げてフル稼働しているに違いない。

ここで、注意を喚起したい。
小沢氏が提案した「官僚の国会発言禁止」にも通じるのだが、民主主義と権力闘争の関係について。

官僚の国会発言禁止は、私は正しいと思う。
これに文句をつけている社民党や共産党は、平和ボケの一言に尽きる。

官僚の発言禁止というけれども、正確に言うならば、政治家が官僚に代行させることを禁止する ということだ。
当たり前の話だが、国会というのは、選挙で選ばれた議員が討議する場である。
議員以外の発言は、何であれ議員の代行にすぎない。

ところが、議員がすぐに手抜きをする。
官僚に丸め込まれる。
そんなこんなで、政権交代の緊張感が薄れてくれば、かならずそういう昔の姿に戻っていく。

権力は必ず腐敗する ということを自らにも当てはめて、自らに手かせをはめようというのが、小沢氏の提案だ。

どうしても必要ならば、参考人招致なり証人喚問すればいい。
省を代表して発言することや、議員の代行で発言することを禁止するのであって、その官僚自体が問題ならば、参考人や証人にすればいいのだ。

それなのに、「高級官僚が不正を起こした際に責任を糾明できなくなる」なんて言っている共産党は、政治家をやる気があるのだろうか?

社民党にしても、権利闘争はやっても、権力闘争については全くやる気がない。現在そのまっただ中だという自覚がぜんぜん無い。
いや、もしかしたら、権力闘争という言葉の意味が分かっていないのかも知れない。


これは、放送局に対する問題でも同様だ。
放送局をチェックするというと、必ず、権力の介入だという批判が出るに違いない。
しかし、広告主が報道内容に不当に介入していないかを、厳密にチェックすることは、大本営発表を強制することとは、まったく違う。
正反対だ。

一見民主的なような顔をして、マスコミへのチェックに文句をつけるやつは、良くってどうしようもない平和ボケ、それ以外は、植草一秀氏いうところの悪徳ペンタゴンの手先である。

もちろん、かつての自民党のように「ああ言え」とか「こう言うな」という命令をしてはいけないのは、言うまでもない。アタリマエ

今必要なのは、報道内容が広告主から不当な介入を受けていないか、というか、受けているに決まっている不当な介入を暴いて報道の根っこを透明にし、毎日テレビを見たり新聞を読んだりしている全国民に知らせることだ。


郷原氏の活躍に期待したい。


ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

関連記事

trackback


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

郷原信郎さん(元検事)が検察の捜査方法について話をしていた

 一昨日の「愛川欽也パックインジャーナル」では、「厚労省村木被告問題ほか最近の検察を郷原さんに聞く」というコーナーがあり、元検事(現在は弁護士)の郷原信郎さんが検察の捜査方法について話をしていた。 郷原 「今日の本(「検察が危ない(ベスト新書)」)に...

接続関連は苦手です

地上デジタルとかってちょっと難しそう?何が変わるの?何をすればいいの?で、わからない事ばかりなのです。

産経が、郷原氏の総務省顧問就任の記事を流せないわけ

  東京地検特捜部OB ・郷原信郎氏が総務省顧問に就任 という事実をいつ産経が流すのか、こちらは息を潜めて様子を伺っていた。 内定報道から5日目の21日になってもいまだ産経は流すだけの根性はなく、スルーを決め込んだように見える。 郷原信郎氏が、総務省の顧問にな...

静かなる革命パンフレット【第一弾】税制を変えれば政治が変わる:一般取引税を導入して夢のジパングへ

静かなる革命2009シリーズが24ページのパンフになりました. かなり加筆しています.ぜひ一度通してお読みください. タイトルをクリックするとジャンプ(ダウンロード)します(PDF624KB). 筆者への断りなき引用・転載・配布を歓迎します.(馬場英治...

副大臣が存在をする意味

  自公政権から大きく立場を変えたものに 「副大臣」 という存在がある。副大臣の立場が大きく取り上げられられはじめたことである。 自公政権下における、副大臣の立場はいわゆるお飾りというか盲腸と等しいものであった。 認証官 でありながらというより、各派閥の長が...

やっと、西川のジイサン辞任する気になったか。ヤレヤレ、。。。(郵政次期社長に、「植草一秀」氏を推薦します!)

  当  ブ  ロ  グ  へ  の     皆様のご支援に感謝致します! ありがとう!     ドンドン目が悪くなるようで、。。。     本文の背景を薄いグレーにかえました。     サイドバーも同色にします。     この色より、     ...

失われた20年の反省はどこに・・・・

植草さんが10月4日に帰ってこられた。 政権がかわり、植草さんのせっかくの出番なのに、 未だにマスメディアからの締め出しぶり。 いっぽう自民党よいしょの田原氏はあれだけ自民党、特に小泉政権よいしょだったのに何もなかったように、手のひらをかえ民主党よりに。

comment form

管理者にだけメッセージを送る

comment

No title

ここまで小沢氏が考えてやってるのだとすれば、
たいしたものだ。

ただここまで総務省がマスコミに馬鹿にされているなら、
さび付いた伝家の宝刀を実際に使ったらどうだ?

もちろん最初に試し切りするのは、
コンプライアンスとは程遠いヤラセ暴力団放送局の
TBSから

放送免許取り消して潰して
元社員は一切雇わないという条件付で
設備一式楽天に買い取ってもらって
楽天TVにすればいい

はじめましてです。

私も郷原氏には期待しています。
彼は以前、TBSの不二家報道で弁護士として闘った人物です。詳しいことは彼の著書
『思考停止社会「遵守」に蝕まれる日本』(講談社現代新書)
に書かれてるので管理人さまや此処に来られる読者の方にも是非読んで頂きたい本です。
彼はやってくれること間違いないです。
後は政治家が転ばないことを祈るばかりです(^_^;)
生活フォーラム関西
なんとしても政権交代を!
20140723-3.jpg
カレンダー
08 | 2023/09 | 10
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
リンク1
貴重な情報をいただいています
(順不同)
リンク2
ブログ内検索
twitter
田中龍作ジャーナル
20140723-4.gif
ひとびとの経済政策研究会
松尾匡氏ら気鋭の経済学者による  政策提言と勉強会
ひとびとの
マガジン9条
パレスチナ・オリーブ
パレスチナで作られたオリーブオイルやオリーブ石けん。これはお勧め。
palestineolive.jpg
RSSフィード
blogranKing.net

カウンター
最近の記事
プロフィール

明月 こと 山岸飛鳥

Author:明月 こと 山岸飛鳥
木の家プロデュース 明月社 主宰
一級建築士
趣味 キコリ 畑
取り柄 貧乏
Email : info@mei-getsu.com

明月社のアルバム
明月社の作品や家づくりのアイディアなど ちょくちょく更新しています
アルバムLOGO
木の家プロデュース明月社
ホームページをリニューアルしました
meigetsusha.jpg
明月社へのご連絡

名前:
メール:
件名:
本文:

明月社 facebookページ
六甲菜園ブログ
郊外楽園プロジェクトの六甲菜園
rokkou-sides.jpg
おすすめの本
こんな時代だから、お薦めしたい本。アフィリエイトではありません。

自伝的戦後史(羽仁五郎) jidentekisengosi.jpg

おすすめの本 2
日本はなぜ「基地」と「原発」を止められないのか

nihonhanaze.jpg

おすすめの本 3
日本はなぜ「戦争ができる国」になったのか
nihonnhanaze2.jpg
おすすめの本 4
世界超恐慌の正体

sekaichoukyoukou.jpg

おすすめの本 5
そして、日本の富は略奪される

sositenihonnno.jpg

おすすめの本 6
コンクリートが危ない

conclete.jpg

おすすめの本 7
家を建てる。家づくりはたたかいだ

iewotateru.jpg