2009-11-09(Mon)
あと3週間で 時限爆弾 が炸裂する
普天間基地をめぐる鳩山政権の右往左往と、沖縄での怒りの爆発が対照的に報じられている。
たしかに嘉手納に今以上の負担を押しつけるなんて問題外だし、滑走路を辺野古のちょっとだけ沖合に作ろうなんていう話は開いた口がふさがらない。
その意味では、岡田外相や北沢防相に抗議するのは、当然だ。
(ただし、マスコミ諸氏は、ついこの間まで自分たちが何を言っていたか、よく思い出してから発言してほしい)
しかし、その背景で進んでいることも忘れてはいけない。
そう、日米密約についての調査である。期限は11月末。
これが、かつての薬害エイズ問題のようにバッチリ資料が出てきたら、辺野古だの嘉手納だのと言い続けるのは、泥棒がほおかむりをしたまま舞台に上がってカンカン踊りをするくらい恥ずかしいことになる。
岡田外相は、おそらく、そこまでの時間稼ぎをしているものと思われる。
他ならぬアメリカが認め、当事者であった元外務次官が4人もそろって認めてしまった以上、これ以上隠せるわけがない。「隠せば自分のクビがアブナイ、どうせ自分の直接責任ではない」と判断して、官僚は情報を出してくるに違いない。
ちょっと長いけれど、共同通信を引用する
次官経験者の証言要旨 核持ち込み日米密約
2009.5.31 共同通信
核持ち込みの日米密約をめぐる外務事務次官経験者(80~90年代)4人の証言要旨は次の通り。
▽A氏
一、次官引き継ぎの時に「核に関しては日米間で(非公開の)了解がある」と前任者から聞いて、次の次官に引き継いでいた。これは大秘密だった。
一、米軍艦船や米軍機に積まれた核は事前協議の対象にならないということは、60年から日米間で了解されている。だから日本政府は国民にうそをついてきた。
一、(密約の内容を)メモ書きした文書が外務省に存在し、自分はそれを読んだ。大平正芳氏が外相だった時に(日米間で)確認したということも秘密の文書に書いてあり、それも読んだことがある。
一、当時の首相や外相に伝えたことはなかった。政治家に話をすると漏えいするから。
▽B氏
一、大平、ライシャワー両氏のやりとりについては自分も聞いており、外務省にはそれを記した内部文書があった。(その時々の)次官はもちろんそれを知っていた。
一、形式論としては時の首相、外相に必ず報告すべき事項だが、大きな問題なので、せんえつかもしれないが、役人サイドが(密約の内容を話していい首相とそうでない首相を)選別していた。
▽C氏
一、(艦船や航空機に積まれた核が事前協議の対象にならないという米側の解釈を記した)日本側文書が外務省にある。(米国で既に開示され、密約内容を記した英語の「秘密議事録」と)全く一言一句変わらないことが書かれている。
一、外務省で日米安全保障条約を担当している者は(密約のことを)みんな知っている。(大平、ライシャワー両氏が密約を確認した内容を記した)記録も外務省に残されているはずだ。
一、小渕恵三氏には彼が首相となる前の外相の時にこのことを伝えた。橋本龍太郎氏にも外務省から伝えている。両首相経験者とも事実関係を知っていた。
▽D氏
一、条約課長になった時に聞かされた。私自身は首相に(密約の内容を)話すことはなかった。
一、(国会で事実と違う答弁を続け)何か恥ずかしいなという思いがあった。
(引用ここまで)
天木直人さんによれば、この大スクープをすぐに報じたのは、東京新聞と地方新聞だけであったという。
密約は核持ち込みだけではなく、沖縄はもちろん、どこまで広がるか分からない。
まさに、11月30日にセットされた時限爆弾なのである。
オバマ来日で話し合われるのは、この密約をどのように公開するのか、その対応はどうするか、そんなことの合意を取り付けるのではないか。
3週間後が楽しみである。
ただし。
鳩山政権を持ち上げすぎというきらいもあるので、少々敷衍して書いておきたい。
鳩山政権の歴史的な意味というのは、日本で革命とか動乱とかが起きないようにする、ということなのだと思う。
つまり、あのまま自民党の政治が続いていたら、もうガマンの限界を超えて、ホームレスやらフリーターやら自殺寸前の町工場の社長やら膨大な失業者とその予備軍やらが石つぶてを持って立ち上がるのではないか、その危機感が民主党をして、このような政権を作らせた と言える。
私は そう考えている。
この際、ウミを出せるだけ出して、救済できるものはできるだけのことをして、生き難いこと、腹の立つことに、可能な限りの手当をして、ギリギリ革命や動乱は回避する。それが鳩山政権の基本姿勢だ。
だからこそ、社民党との連立は絶対に崩さないし、意外なほど民衆の痛みに応える姿勢を貫いている。
それが良いとか悪いとかではなく、そうした鳩山政権だからこそ、大事なことがある。
声を上げること。声を上げることで鳩山政権の後ろ盾になること。民の声を後ろ盾にしなければ、前に進めない政権にすること。
いま、沖縄をめぐって、まさにそういう事態が進行している。
官僚主導の政治はダメ。たしかにそれはそうだ。
でも、それだけではない。
政治家主導の政治でもダメ。
民の声が主導する政治でなくてはいけない。民意の顔色をうかがいながら、それを錦の御旗にして進んでいくような、少々頼りない政権でちょどいい。

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たしかに嘉手納に今以上の負担を押しつけるなんて問題外だし、滑走路を辺野古のちょっとだけ沖合に作ろうなんていう話は開いた口がふさがらない。
その意味では、岡田外相や北沢防相に抗議するのは、当然だ。
(ただし、マスコミ諸氏は、ついこの間まで自分たちが何を言っていたか、よく思い出してから発言してほしい)
しかし、その背景で進んでいることも忘れてはいけない。
そう、日米密約についての調査である。期限は11月末。
これが、かつての薬害エイズ問題のようにバッチリ資料が出てきたら、辺野古だの嘉手納だのと言い続けるのは、泥棒がほおかむりをしたまま舞台に上がってカンカン踊りをするくらい恥ずかしいことになる。
岡田外相は、おそらく、そこまでの時間稼ぎをしているものと思われる。
他ならぬアメリカが認め、当事者であった元外務次官が4人もそろって認めてしまった以上、これ以上隠せるわけがない。「隠せば自分のクビがアブナイ、どうせ自分の直接責任ではない」と判断して、官僚は情報を出してくるに違いない。
ちょっと長いけれど、共同通信を引用する
次官経験者の証言要旨 核持ち込み日米密約
2009.5.31 共同通信
核持ち込みの日米密約をめぐる外務事務次官経験者(80~90年代)4人の証言要旨は次の通り。
▽A氏
一、次官引き継ぎの時に「核に関しては日米間で(非公開の)了解がある」と前任者から聞いて、次の次官に引き継いでいた。これは大秘密だった。
一、米軍艦船や米軍機に積まれた核は事前協議の対象にならないということは、60年から日米間で了解されている。だから日本政府は国民にうそをついてきた。
一、(密約の内容を)メモ書きした文書が外務省に存在し、自分はそれを読んだ。大平正芳氏が外相だった時に(日米間で)確認したということも秘密の文書に書いてあり、それも読んだことがある。
一、当時の首相や外相に伝えたことはなかった。政治家に話をすると漏えいするから。
▽B氏
一、大平、ライシャワー両氏のやりとりについては自分も聞いており、外務省にはそれを記した内部文書があった。(その時々の)次官はもちろんそれを知っていた。
一、形式論としては時の首相、外相に必ず報告すべき事項だが、大きな問題なので、せんえつかもしれないが、役人サイドが(密約の内容を話していい首相とそうでない首相を)選別していた。
▽C氏
一、(艦船や航空機に積まれた核が事前協議の対象にならないという米側の解釈を記した)日本側文書が外務省にある。(米国で既に開示され、密約内容を記した英語の「秘密議事録」と)全く一言一句変わらないことが書かれている。
一、外務省で日米安全保障条約を担当している者は(密約のことを)みんな知っている。(大平、ライシャワー両氏が密約を確認した内容を記した)記録も外務省に残されているはずだ。
一、小渕恵三氏には彼が首相となる前の外相の時にこのことを伝えた。橋本龍太郎氏にも外務省から伝えている。両首相経験者とも事実関係を知っていた。
▽D氏
一、条約課長になった時に聞かされた。私自身は首相に(密約の内容を)話すことはなかった。
一、(国会で事実と違う答弁を続け)何か恥ずかしいなという思いがあった。
(引用ここまで)
天木直人さんによれば、この大スクープをすぐに報じたのは、東京新聞と地方新聞だけであったという。
密約は核持ち込みだけではなく、沖縄はもちろん、どこまで広がるか分からない。
まさに、11月30日にセットされた時限爆弾なのである。
オバマ来日で話し合われるのは、この密約をどのように公開するのか、その対応はどうするか、そんなことの合意を取り付けるのではないか。
3週間後が楽しみである。
ただし。
鳩山政権を持ち上げすぎというきらいもあるので、少々敷衍して書いておきたい。
鳩山政権の歴史的な意味というのは、日本で革命とか動乱とかが起きないようにする、ということなのだと思う。
つまり、あのまま自民党の政治が続いていたら、もうガマンの限界を超えて、ホームレスやらフリーターやら自殺寸前の町工場の社長やら膨大な失業者とその予備軍やらが石つぶてを持って立ち上がるのではないか、その危機感が民主党をして、このような政権を作らせた と言える。
私は そう考えている。
この際、ウミを出せるだけ出して、救済できるものはできるだけのことをして、生き難いこと、腹の立つことに、可能な限りの手当をして、ギリギリ革命や動乱は回避する。それが鳩山政権の基本姿勢だ。
だからこそ、社民党との連立は絶対に崩さないし、意外なほど民衆の痛みに応える姿勢を貫いている。
それが良いとか悪いとかではなく、そうした鳩山政権だからこそ、大事なことがある。
声を上げること。声を上げることで鳩山政権の後ろ盾になること。民の声を後ろ盾にしなければ、前に進めない政権にすること。
いま、沖縄をめぐって、まさにそういう事態が進行している。
官僚主導の政治はダメ。たしかにそれはそうだ。
でも、それだけではない。
政治家主導の政治でもダメ。
民の声が主導する政治でなくてはいけない。民意の顔色をうかがいながら、それを錦の御旗にして進んでいくような、少々頼りない政権でちょどいい。

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