2010-01-29(Fri)
住宅着工件数がマイナス28%
まったく、よく生き延びできたもんだと、自分で自分を褒めてやりたい気分だ。
市場が一年で3割も小さくなるなんて、考えただけでも恐ろしいが、それが現実になっている。
自動車も悪い悪いと言われ、トヨタは2年連続赤字だとか言っているが、それでも2009年は前年比-10%だ。
28%マイナスというのが、どれほどヒドイ状況か、わかろうというものだ。
なかでも最悪だったのは、マンション部門で、半分以下、マイナス58%。
私はこのジャンルは関わりがないが、倒産していない会社があるのが不思議なくらいの状況。
次が賃貸マンションやアパート。これが、平均のマイナス28%。
建売りや売建ての一戸建て分譲は、マイナス22%
意外と堅調だったのが、持ち家の建て替えで、マイナス12%
マイナス12%が、マシなように見えてしまうのが悲しい。
減少した絶対量もさることながら、たった1年でこれだけ減ったというスピードのほうが恐ろしい。
建築に関わるものは、時代認識をあらためないと、命を存えることすら難しい。
■■
ことは、サブプライムローンやリーマンショックだけにとどまらない。
一時的な落ち込みで、すぐに回復するようなものではないということ。
アメリカの金融業界が回復しているように見えるのは、会計基準を変えて誤魔化しているだけだから、数百兆ドルのアブク銭が消え去ったツケは、延々と残っていくだろう。
当然、日本も右へならえだ。
こんな、蟻地獄のようなスパイラルから、どうやって逃げ出せばいいのだろうか。
って、それが分かれば苦労しないが、すくなくとも、今までと同じことをしていたのではアカンということは間違いないだろう。
こういうマイナススパイラルに、なんで出口がないのかというと、貧富の格差が大きくなりすぎたからだと思う。
感情論や、倫理的な意味で言っているのではなく、資本主義である以上、貧富の格差が一定以上大きくなってはダメだと思うのだ。
資本主義の初めの段階であれば、少数の人が大金を稼いで資本家となり、産業を興していくというストーリーもあるかもしれないが、日本のように行くところまで行ってしまった資本主義の社会では、そんなストーリーは絵空事だ。
基本的な需要は満たされきっており、要らないモノをいかに売りつけるか、というのが経済の大テーマになっているのだから。
作っても売れないのに、富を集中して投資すれば経済が発展するなんてことは無い。
これは、ものすごく簡単な原理だと思う。
経済の大もとは、お母ちゃんのがま口だ。
つまり、あらゆる経済活動の、もとのもとを辿れば、すべて個人消費になる。
工場を建てるのも、結局はそこでつくる商品を売るためだ。
その商品が機械だとしても、その機械だって売るための商品を作るためある。
そうやって考えていけば、すべての経済活動は、個人消費が源泉だということがわかる
だから、個人が安心してお金を使えることが、経済を動かす最大、というかもっとも根本的な原動力だ。
その意味で、お金に困っていない人に、もっとお金を渡しても、消費は増えない。
お金が必要なのに足りない人が、そこそこ足りるようになるのが、いちばんお金を使うことになる。
■■
以前の記事でも書いたとおり、日本でも貧富の差はどんどん大きくなっている。
国会図書館がまとめた日本の格差の証拠
テロ特措法と日本の貧困
貯金の無い世帯が4分の1近くいる。
格差を表すというジニ係数も、うなぎのぼりである。
総務省の2008年の統計を見ると、収入では、上位3割の人が収入総額の5割を得ているように見えるが、統計では1500万円以上はひとくくりなので、超高額所得者の実態は分からない。
上位3割とは、年収750万円以上ということらしい。
純貯蓄(貯金-借金)では、上位25%の人が、総額の65%を持っている。
ちなみに、貯金ゼロ世帯22%を含めて、100万円以下が30%だ。
これは、住宅ローンを組んでいる世帯の多くが純貯蓄ゼロ(マイナス)であることも影響している。
それでも、徐々に改善していくのならば、まだ希望があるが、どんどこ格差は拡大している。
特に、子どもができて そろそろ家のことを考えたい世代において、それは激しいのだから、家が売れなくなるのも無理はない。
■■
こんな状況を、見ている(感じている)と、資本主義はもうアカンのちゃう と大げさなことも思いたくなる。
資本主義は、社員に給料を渡してナンボのもんや。
その給料がお母ちゃんのがま口に納まったのち、ちゃんと消費されてこそ経済活動は動き出す。
どの会社もみんな社員をタダ働きさせたら、会社は瞬間的に大もうけして、その直後に倒産する。
何も商品が売れないからだ。
今の不況というのは、そういう状況に近い。
もちろん、アメリカに吸い上げられている巨額のお金のことも考えなくてはならないが、国内にかぎって言うとそういう仕組みだ。
では、もっと給料を出せばいいじゃないかと思うが、企業というのは進んで昇給することはない。
利益を上げることが目先の目標であり、ライバルとの競争である以上、自ら給料を上げると言うことは、基本的にない。
それは、社長が悪いのではなく、原理的にそうなる。
ただし、成長期には市場自体が勝手に大きくなって、売り上げが右肩上がりに増えていくから、給料も見た目には増えていく。
そういうプラスのスパイラルは、確かにあった。
が、何度も言うけれども、要らないモノを売りつけるしか経済発展はないような今の社会では、利益を上げてライバルに勝つには、どうしても給料を下げるしかない。
それは、自社の社員の場合もあるけれども、下請けを叩きまくることによって、中小零細企業の社員は、さらに過酷に賃金カットされる。
しつこいようだけれども、これは社長の人格が悪いのではなく(中には悪いのもいるけれども)、仕組みとしてそうなっている。
回りの企業が賃金カットしてコストを落としている中で、自社だけがコストの高い製品を作っていたのでは、売れるわけがない。
どんなに社員思いの社長でも、泣く泣くカットするしかないだろう。
中には、もっと工夫をすればなんとかなる、と言う人もいるが、プロジェクトXの見過ぎだろう。
それはあくまでレアケース。レアケースだからこそ、なんとかなったのである。
■■
もう、ここらでリセットした方がいいんちゃう。
そんな気がする。
お金を使わせることで成り立つ仕組みそのものを、変えて行かなくてはならない。
常に供給が過剰で、需要をつくるために汲々としているのを、逆転させるのである。
もうモノは充ち満ちて、需要はそんなに無いのだから、いっそのこと、供給をしぼるのだ。
売れないから作れないのではなく、売らないのだ。
一気に3割とか5割とかやったら、ばたばた倒産するから、徐々に進めていく。
仕事が無くなった分だけ、あいた時間で畑を耕す。
ふざけているのではなく、本気で野菜を作る。
家も農地も、この国ではあり余っているのだから、空き家税とか耕作放棄税とかを作って、半ば強制的に仕事のないサラリーマンに提供していく。
住むところと最低限の食うモノがあれば、がぜん世界は変わってくる。
否応なく、そんな世界への転換を迫られるだろう。
その最大の圧力は、きっと中国だ。
中国=安い労働力という時代は徐々に過去のモノになり、いまや世界最大の市場として、日本では売れないものを買ってもらう場所になっている。
しかし、いくら人口が多くても、いずれ中国の市場も飽和してくる。
そうなったら、日本の産業は生き残る道はない。
アメリカが世界一の赤字国に転落したように、日本もまたその道を辿るのである。
ただし、アメリカにはドルという打ち出の小槌があったけれども(だいぶさび付いているが)、日本には最初からそんな便利なモノはない。
赤字転落=経済縮小になることは間違いない。
遅かれ早かれ、そういうコースを辿るであろうことから目をそらして、地デジだのエコポイントだのと、要らないモノを売りつける算段ばかりしていては、ますます事態を悪化させるだけだ。
何十万もするでっかいテレビや、何百万もするハイブリッドカーを買うよりも、とりあえずプランターと土を買ってきて、種を植えてみよう。
なんかオカシイと感じている中小企業の社長は、屋上に菜園を作って、社員みんなで大根やネギを育ててみよう。
ほんの些細なことだけれども、そのちょっとした一歩が気付きになり、次の一歩を考えるきっかけになる。
家を建てる人は、部屋を一つ減らして、畑を確保しよう。
ギリギリの敷地しかないのならば、屋根を畑にしてしまおう。
屋上菜園は、思ったより簡単にできる。
資本主義は云々 と大言壮語を吐いた割に、仕上げは大根かい!
と,自分でもちょっと思うけれども、でもそれが今の実感だ。
これからの世の中は、きっとだれも経験したことのない世界になっていく。
だから、あれこれ難しく考えても、下手な考え休むに似たり てことになる。
まずは、土にさわり、芽が出てふくらんで 花が咲いてじゃんけんぽん でやってみるしかない。

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市場が一年で3割も小さくなるなんて、考えただけでも恐ろしいが、それが現実になっている。
自動車も悪い悪いと言われ、トヨタは2年連続赤字だとか言っているが、それでも2009年は前年比-10%だ。
28%マイナスというのが、どれほどヒドイ状況か、わかろうというものだ。
なかでも最悪だったのは、マンション部門で、半分以下、マイナス58%。
私はこのジャンルは関わりがないが、倒産していない会社があるのが不思議なくらいの状況。
次が賃貸マンションやアパート。これが、平均のマイナス28%。
建売りや売建ての一戸建て分譲は、マイナス22%
意外と堅調だったのが、持ち家の建て替えで、マイナス12%
マイナス12%が、マシなように見えてしまうのが悲しい。
減少した絶対量もさることながら、たった1年でこれだけ減ったというスピードのほうが恐ろしい。
建築に関わるものは、時代認識をあらためないと、命を存えることすら難しい。
■■
ことは、サブプライムローンやリーマンショックだけにとどまらない。
一時的な落ち込みで、すぐに回復するようなものではないということ。
アメリカの金融業界が回復しているように見えるのは、会計基準を変えて誤魔化しているだけだから、数百兆ドルのアブク銭が消え去ったツケは、延々と残っていくだろう。
当然、日本も右へならえだ。
こんな、蟻地獄のようなスパイラルから、どうやって逃げ出せばいいのだろうか。
って、それが分かれば苦労しないが、すくなくとも、今までと同じことをしていたのではアカンということは間違いないだろう。
こういうマイナススパイラルに、なんで出口がないのかというと、貧富の格差が大きくなりすぎたからだと思う。
感情論や、倫理的な意味で言っているのではなく、資本主義である以上、貧富の格差が一定以上大きくなってはダメだと思うのだ。
資本主義の初めの段階であれば、少数の人が大金を稼いで資本家となり、産業を興していくというストーリーもあるかもしれないが、日本のように行くところまで行ってしまった資本主義の社会では、そんなストーリーは絵空事だ。
基本的な需要は満たされきっており、要らないモノをいかに売りつけるか、というのが経済の大テーマになっているのだから。
作っても売れないのに、富を集中して投資すれば経済が発展するなんてことは無い。
これは、ものすごく簡単な原理だと思う。
経済の大もとは、お母ちゃんのがま口だ。
つまり、あらゆる経済活動の、もとのもとを辿れば、すべて個人消費になる。
工場を建てるのも、結局はそこでつくる商品を売るためだ。
その商品が機械だとしても、その機械だって売るための商品を作るためある。
そうやって考えていけば、すべての経済活動は、個人消費が源泉だということがわかる
だから、個人が安心してお金を使えることが、経済を動かす最大、というかもっとも根本的な原動力だ。
その意味で、お金に困っていない人に、もっとお金を渡しても、消費は増えない。
お金が必要なのに足りない人が、そこそこ足りるようになるのが、いちばんお金を使うことになる。
■■
以前の記事でも書いたとおり、日本でも貧富の差はどんどん大きくなっている。
国会図書館がまとめた日本の格差の証拠
テロ特措法と日本の貧困
貯金の無い世帯が4分の1近くいる。
格差を表すというジニ係数も、うなぎのぼりである。
総務省の2008年の統計を見ると、収入では、上位3割の人が収入総額の5割を得ているように見えるが、統計では1500万円以上はひとくくりなので、超高額所得者の実態は分からない。
上位3割とは、年収750万円以上ということらしい。
純貯蓄(貯金-借金)では、上位25%の人が、総額の65%を持っている。
ちなみに、貯金ゼロ世帯22%を含めて、100万円以下が30%だ。
これは、住宅ローンを組んでいる世帯の多くが純貯蓄ゼロ(マイナス)であることも影響している。
それでも、徐々に改善していくのならば、まだ希望があるが、どんどこ格差は拡大している。
特に、子どもができて そろそろ家のことを考えたい世代において、それは激しいのだから、家が売れなくなるのも無理はない。
■■
こんな状況を、見ている(感じている)と、資本主義はもうアカンのちゃう と大げさなことも思いたくなる。
資本主義は、社員に給料を渡してナンボのもんや。
その給料がお母ちゃんのがま口に納まったのち、ちゃんと消費されてこそ経済活動は動き出す。
どの会社もみんな社員をタダ働きさせたら、会社は瞬間的に大もうけして、その直後に倒産する。
何も商品が売れないからだ。
今の不況というのは、そういう状況に近い。
もちろん、アメリカに吸い上げられている巨額のお金のことも考えなくてはならないが、国内にかぎって言うとそういう仕組みだ。
では、もっと給料を出せばいいじゃないかと思うが、企業というのは進んで昇給することはない。
利益を上げることが目先の目標であり、ライバルとの競争である以上、自ら給料を上げると言うことは、基本的にない。
それは、社長が悪いのではなく、原理的にそうなる。
ただし、成長期には市場自体が勝手に大きくなって、売り上げが右肩上がりに増えていくから、給料も見た目には増えていく。
そういうプラスのスパイラルは、確かにあった。
が、何度も言うけれども、要らないモノを売りつけるしか経済発展はないような今の社会では、利益を上げてライバルに勝つには、どうしても給料を下げるしかない。
それは、自社の社員の場合もあるけれども、下請けを叩きまくることによって、中小零細企業の社員は、さらに過酷に賃金カットされる。
しつこいようだけれども、これは社長の人格が悪いのではなく(中には悪いのもいるけれども)、仕組みとしてそうなっている。
回りの企業が賃金カットしてコストを落としている中で、自社だけがコストの高い製品を作っていたのでは、売れるわけがない。
どんなに社員思いの社長でも、泣く泣くカットするしかないだろう。
中には、もっと工夫をすればなんとかなる、と言う人もいるが、プロジェクトXの見過ぎだろう。
それはあくまでレアケース。レアケースだからこそ、なんとかなったのである。
■■
もう、ここらでリセットした方がいいんちゃう。
そんな気がする。
お金を使わせることで成り立つ仕組みそのものを、変えて行かなくてはならない。
常に供給が過剰で、需要をつくるために汲々としているのを、逆転させるのである。
もうモノは充ち満ちて、需要はそんなに無いのだから、いっそのこと、供給をしぼるのだ。
売れないから作れないのではなく、売らないのだ。
一気に3割とか5割とかやったら、ばたばた倒産するから、徐々に進めていく。
仕事が無くなった分だけ、あいた時間で畑を耕す。
ふざけているのではなく、本気で野菜を作る。
家も農地も、この国ではあり余っているのだから、空き家税とか耕作放棄税とかを作って、半ば強制的に仕事のないサラリーマンに提供していく。
住むところと最低限の食うモノがあれば、がぜん世界は変わってくる。
否応なく、そんな世界への転換を迫られるだろう。
その最大の圧力は、きっと中国だ。
中国=安い労働力という時代は徐々に過去のモノになり、いまや世界最大の市場として、日本では売れないものを買ってもらう場所になっている。
しかし、いくら人口が多くても、いずれ中国の市場も飽和してくる。
そうなったら、日本の産業は生き残る道はない。
アメリカが世界一の赤字国に転落したように、日本もまたその道を辿るのである。
ただし、アメリカにはドルという打ち出の小槌があったけれども(だいぶさび付いているが)、日本には最初からそんな便利なモノはない。
赤字転落=経済縮小になることは間違いない。
遅かれ早かれ、そういうコースを辿るであろうことから目をそらして、地デジだのエコポイントだのと、要らないモノを売りつける算段ばかりしていては、ますます事態を悪化させるだけだ。
何十万もするでっかいテレビや、何百万もするハイブリッドカーを買うよりも、とりあえずプランターと土を買ってきて、種を植えてみよう。
なんかオカシイと感じている中小企業の社長は、屋上に菜園を作って、社員みんなで大根やネギを育ててみよう。
ほんの些細なことだけれども、そのちょっとした一歩が気付きになり、次の一歩を考えるきっかけになる。
家を建てる人は、部屋を一つ減らして、畑を確保しよう。
ギリギリの敷地しかないのならば、屋根を畑にしてしまおう。
屋上菜園は、思ったより簡単にできる。
資本主義は云々 と大言壮語を吐いた割に、仕上げは大根かい!
と,自分でもちょっと思うけれども、でもそれが今の実感だ。
これからの世の中は、きっとだれも経験したことのない世界になっていく。
だから、あれこれ難しく考えても、下手な考え休むに似たり てことになる。
まずは、土にさわり、芽が出てふくらんで 花が咲いてじゃんけんぽん でやってみるしかない。

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