2010-03-11(Thu)

保育園 増やせばいいってモンじゃない!

小さい子どもがいる人や、いないけれども子どもたちのことが心配な人は、今日の記事はぜひ読んでいただきい。

自民党時代から続いている、厚労省の審議会がある。

厚生労働省社会保障審議会少子化対策特別部会保育第一専門部会

なが!

第一があるからには第二もあるし、専門のつかない、特別部会本体もある。

ごく簡単に言うと、本体では大枠の制度設計と学童保育のこと、第一は保育園の制度や基準、第二は保育ママと病後児保育など通常の保育園以外のこと、という分担をしているようだ。
詳しくは、厚労省のホームページにある

このページ の一番下のほう


■■
このなかで、一番問題になることは「第一」で話し合われている。

まず、制度について話し合われているのは、保育園の申込み方法だ。
今は、保育園に入りたいときは、希望する園をいくつか書いて市などの自治体に申し込む。
すると、面談ののち、市から可否が告げられる。
契約も市とするし、保育料も市へ払い込む。

これは、認可園であれば、公立でも私立でも同じ。
保育料も、親の収入によって決まるのであって、公立や私立の違いはない。
利用する保育時間にも左右されない。

こうして、現在200万人をこえる子どもたちが保育園で生活している。

これは、認可保育園の話。
つまり国の基準を満たしていて、自治体に認可されている園のこと。

これ以外に、無認可園というのがあるのだけれども、話の流れがはずれるので、それは後回し。
今は、申込み方法のこと。

で、厚労省のナンタラカンタラ特別部会で話し合われているのは、この申込み制度を変えようということ。
どう変えるのかというと、

①申込みや契約を、市町村ではなく、それぞれの保育園にする。


・子どもを預けたいと思うと、まず市町村に行って、預ける資格があるかどうか審査を受ける。
・そこで、あなたは○○時間の利用ができます、という証明をもらって、今度は預けたい保育園に直接申し込みに行く。
・定員オーバーなどで断られると、また次の保育園に申し込みに行く。
・またまた断られると、またまた次の保育園に・・・・・・・
と、入れるまで自分の足で、子どもを抱えながらあっちこっち回ることになる。

②資格認定の段階で、利用時間を切られる

・子どもたちは集団生活のなかで、時間がバラバラになる。
・行事やお散歩なんかをしたくても、一日中、子どもが出たり入ったりということになる。
・遠足に参加させたければ、追加料金をはらわなくてはならない、なんていう子どもも出てくる。

ようは、集団生活の場ではなく、預けるだけの託児所になってしまう。

③株式会社の経営を認める

・経営効率を優先する
・親は顧客、子どもは商材ということか・・・

などなど、なんのこっちゃ分からんことが、延々と30回も会合を開いて話し合われてきた。

この「改革」の狙いは、ズバリ、「保育業界へ競争原理を」 ということだ。

直接申込みにすることで、保育園毎に特色、といえば聞こえは良いが、親を呼び込むための売り物を考えなさいよ、ということ。
保育園も経営努力をしろ、ということが言いたいわけだ。

ただし、昨年9月を境に、会合の空気は大きく変わっているようだ。
それまでは、規制緩和と効率優先ばかりが幅をきかせてきたが、9月以降は、勢いが無くなった。
それでも、直接契約制度は、この審議会の目玉なので、そのまま残っている。

こんなものが導入されると、保育の現場も、預けたい親も、なにより子ども達がエライことになる。


■■
次に、保育園の基準のこと。

基準というのは、施設の基準と保育士の人数。

施設の基準についても、広さの基準と、こんな施設は必要だということがある。

これについては、9月以前と以降で、まったく反対になっている。
以前は、規制緩和で自由化、つまり、狭くしてもいいし、給食室なんて無くてもいい、という感じだったのに、12月に出ているまとめでは、

今の最低基準では図れない子どもの育ちを保障するためには、より科学的根拠に基づいた、もっと広い空間あるいは育ちを保障してあげる生活空間というものが必要。

最低基準は子どもの育ちを保障していくための空間・環境であり、今以上に最低基準を高めていくことにもっていくことこそ、子どもたちの生活を保障していくことである。

保育の質の向上を目指す必要があり、定数、広さにしても、まだまだ乏しいものがたくさんある。

現在の面積基準が、国際的にもかなり低い状態であることは確認されているので、他の国に比べてどういう状況なのかデータをもって見せてほしい。


なんてことが書いてある。

実は、この審議会が外部に委託して行った研究結果があり、今の基準では狭すぎる、という結論が出ていたのだが、9月までは実質的にシカトされてきたのである。

機能面に着目した保育所の環境・空間に係る研究事業

全文は35Mbあるが、このページからダウンロードできる

政権交代のおかげで、この研究も日の目を見るのか と思いきや、厚労省以外の部局から、基準をゆるめろと言う声が上がっている。

しかし、それがとんでもないことは、実証されている。
どこで、実証されているかというと、かの有名な都痴爺がいらっしゃる某自治体。

保育園児に36円の食事をさせる石原都知事

「待機児童ゼロ作戦」の正体

その他、赤旗にはこんなことが、

都内の認証保育所では「階段が急で、転落事故が発生」「食器が100円均一の塩ビ製で熱湯消毒できない」(荒川区・じゃんぐる保育園)、「職員が足りず異年齢児を合同保育しているときに、0歳児が、大きいクラスのおもちゃを誤飲」(世田谷区・小田急ムック成城園)、「経営難から突然、閉鎖」(首都圏で展開していたハッピースマイル)などの事態が起きています。

もっと詳しいレポートも発見

認証保育所における不正の疑惑と驚くべき実態について

とまあ、こんな実態があるにもかかわらず、都痴爺の子分は、こんなことを言っている。

猪瀬直樹の「眼からウロコ」
動きが鈍い「1丁目1番地」の地域主権改革
規制緩和と都独自の工夫で約4400人の待機児童が解消できる

2010年3月9日 BPnet

認可保育所の基準については、大きくわけて施設基準と職員配置基準の2つがある。
施設基準は、調理室を置かなければいけない、とか、乳児がハイハイするための「ほふく室」は児童1人あたり3.3平方メートルなければいけない、というものだ。
なぜ3.3平方メートルかというと、ちょうど「1坪」だから、ということにすぎず、科学的な根拠があるわけではない。これでは、地価が高い東京では、用地の確保が難しく、定員を増やしにくい。


おのれは、厚労省のホームページくらい見てからものを言え!
自民党政権下の研究結果ですら、「1坪」でも狭い という結果が出ているんじゃ!

イノブタ氏はさらに続けて言う

職員配置基準は、保育士の資格を持つ職員が1~2才児ならば児童6人に対して1人いなければならない、とか、3才児以上なら20人に1人いなければいけない、というものである。
保育士の確保は一朝一夕にはいかないから、定員を増やす足かせになっている。


もう、子どもの安全なんて、この男の頭の中にはこれっぽっちもありはしない。
3歳児20人を、一人でみるというのが、どんなメチャクチャなことか、現場を見ればすぐに分かることだ。
まして、それを減らすなんて・・・

さらに、その後

民主党政権は、昨年12月15日の地方分権推進計画で、「保育所にあっては、東京等の一部の区域に限り、待機児童解消までの一時的措置として、居室の面積に関する基準に係る規定は、『標準』とする」と決めた。
「標準とする」とは、一定の水準は示されるが、地域の実情に応じて都や市町村が決めてよい、ということだ。


と、なななんと、鳩山政権はイノブタ氏に褒められてしまっているのである。
こんな、都痴爺の子分をうれしがられるようなことを言っているから、民主党は支持率が下がるんだ。

子どもの生活と安全を犠牲にして、保育の定員だけを無理やり増やすことが、どんな酷いことか、大臣や役人にはわからないのだろう。
というか、わかっても、「ま 子どもことだから いいか!」 くらいに思っているに違いない。

子どもは声をあげられないかもしれない。
その場にいない親は、その実態になかなか気がつかないかもしれない。

だからこそ、この問題には、多くの大人に注目してもらいたい。
窒息死などの事故はもちろん論外だが、そこまで目立たなくても、保育の質が下がることによって、子どものもっている力は大きく削がれてしまう。
極端な言い方かもしれないが、家畜扱いされて育つ子どもがいてはいけない。

保育園に預けている両親家族、その予備軍は、実に数百万人はいる。
子どもだけでも200万人なのだから。大勢力だ。

来年度は、この保育をめぐる制度に、結論が出る年になる。

きっちりとフォローしつつ、声をあげていきたい。


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こんにちは、「気弱な地上げ屋」です。
今、拝見してまして・・・リンクを戴いているのに気付きました(......汗)
遅ればせながら、相互リンクさせて戴きますので・・・
今後とも、宜しくご厚誼の程、お願い申し上げます。
自由党 近畿ブロック
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