2010-03-13(Sat)

原発はなんであんなに事故るのか?

素朴な疑問 ていうのは大事なモンだ。

いつも気になるのが、なんで原発というのは あんなに故障が多いのか ということ。
原発の危険性とか核開発の問題とか、いろいろあるけれども、それとは別に、技術者として とても不思議な気がする。

というのは、これだけ批判の的になり、良くも悪しくも注目を浴びている原発。しかも、潤沢な資金が注ぎ込まれ、思い切り研究開発している原発。
その原発にして、なんでこれほどに故障やミスが多いのだろう。

柏崎刈羽原発でも、いったい何回火事を起こしたことか。
中越沖地震の次の日(2007.7.17)から今年の1月まで、なんと40件もの「事象」を起こしている。

そう事象 だ。誤字じゃない。
この業界では、事故のことを事象というらしい。なんという姑息な・・・

それはともかく、なんで40件という数字がわかったのかというと、原発はナンチャラ機構という類が星の数ほどあって、その中の一つが検索サイトを作っているから。

原子力施設情報公開ライブラリー ニューシア 

左側の「情報検索」で調べることができる。
もちろん、公式発表された内容だけなのは言うまでもない。

地震直後は、「事象」が多くても仕方ないかもしれないという意見もあるだろうから、直近の1年間だけをみても、
なんと12件もある。
月刊事象 なんて雑誌ができそうだ。

日本でもっとも注目された原発にしてこれである。

では、日本中の原発ではどうなのかというと、最近の10年間で1463件の事象を起こしている。
10年間に稼働していた原子炉は55基。(ふげん、泊3、実験炉含まず)
原子炉ひとつに付き、年2.7回の「事象」がおきている計算だ。

何度も言うけれども、これは公表されているものだけ。
あれだけ事故隠しが問題になったことを思い出せば、これですべてとは思えない。
ちなみに、1990年代の10年間では600件の事象しか報告されていない。

と疑惑は尽きないが、それもこの際おいといて、原子炉一つについて年に3回近い異常事態がおきるということの異常さだ。

たとえば、徹底的に整備点検をしている自動車で、平均して年に3回も不具合が起きるだろうか。
平均だから、たまたま当たりが悪かったとかではない。

暴走や炎上というほどのものじゃなくて、ウィンカーがつかないとか、ミラーが格納できないという程度のことでも、びっしり整備点検しているのに年に3回もおきるなんて考えられない。
それが、おきているのが原発というヤツだ。

高圧の蒸気がどうのこうのとか、複雑系がどうのこうのとか、いろんな言い訳はあるかもしれない。
が、そんなのはナンセンス。素人の戯言だ。
スポーツカーのブレーキが故障して、「この車はスピードが出るせいだ」と言い訳するようなもの。

電力会社だってそんな墓穴を掘るような言い訳はしないだろう。
だって、それは「原発は危険です」と認めてしまうことになるから。

いかに高圧の蒸気でも、いかに複雑なシステムでも、それに見あった安全対策を設計しているというのが建前のはずだ。
それなのに それなのに、なんでこんなに事故るのか?

■■
実は、ずっと気になっていたこの疑問のこたえを、最近になっていくつか発見した。

ひとつは、ある業種で柏崎刈羽原発の現場に出入りしていた友人の話だ。

彼は原子炉の中まで入る仕事ではなかったが、現場の職長のような立場だった。
東電から元請けに指示があり、元請けから下請けの彼のところに指示が降りてくる。

ところが、その指示が朝令暮改、ウサギの目 なのだという。
やれと言われてやりかけると、すぐに中止になり、あっちをやれといわれてやりかけると、やっぱりこっちをやれと言われる。
そんな調子なので、「事故ばかり起きるのはあたりまえや」と言うのである。

おそらくは、責任のなすりあいなのだろう。
指示をするということは、その結果に責任を負うということ。
だから、官僚的な体質になるほど、また、重大な問題になるほど、明確な指示を出せないようになる。
私は友人の話を聞いて、そんなことを想像した。


ところが、それどころじゃない、というスゴイ証言を見付けてしまった。

原発がどんなものか知ってほしい


平井憲夫さんという、原発の現場で技師として働いていた方の証言。
平井さんは被爆によって体を壊し、1997年に亡くなっている。

もう、コメントするまでもないので、まだ読んだことのない人は、必ず 必ず目を通していただきたい。
目を通すなんてものじゃなくて、見開いた目から目玉が落ちそうになる。

この証言は、原発震災を防ごう! というホームページにある。

原発震災を防ごう!

証言の部分は長文であり、ホームページ上では少々読みにくいので、勝手ながらPDFにさせてもらった。

原発がどんなものか知ってほしい(PDF版289kb)


これを読んで、なんで原発に事故が多いのか、完全に納得した。
納得した=原発は危険 ということだ。

設計(理屈)では安全に作られていても、実際はその通りにはできていない ということ。
それは、放射線の中で作業をせざるをえない以上、どうしてもそうなってしまう。
しかも、それを検査し指導すべき役人が、素人ばかり。
(3ヶ月までお米の検査をしていた人とか)


■■
放射性廃棄物の問題、核兵器開発の問題、などなど、とんでもない問題をとりあえず横においておいても、やはり原子力は扱ってはいけない技術なんだという確信をもった。

理屈で可能 ということと、人間が扱える ということは別。
どんなにハイテクでも、どんなに注意しても、人間がする以上はエラーがある。
その限界というものが、必ずある。

その限界の内側でしか、技術は実用化できない。
してはいけない。

いや、もっと実態に即して言うと、その限界を超えて、あまたの事故を起こしながら技術というのは進化してきた、と言えるだろう。
けれども、原子力は絶対にそれが許されない。

このへんは、バイオテクノロジーなんかも同じ問題があるように思うが、事故ったときのオオゴトさでは、やはり原子力技術が魔王といえるだろう。


鳩山、小沢両氏を初めとした、民主党の議員さん達は、この原発の実態を知っているのだろうか。
「原発推進」なんてことを軽々しく口にする前に、原発労働者の声なき声を、しっかりと耳に入れてもらいたい。

もちろん、現役の労働者は仕事を失いたくないから、悪いことは絶対に口にしない。
その裏の、声なき声、それに耳を貸さないようでは、庶民の支持は得られない。
庶民の支持をえられなければ、第二自民党へと転落していくことは、小沢氏にはわかっているはずだ。

「原発推進」は、民主党の自縄自縛となる。

今すぐに取り下げるべきだ。


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反論の方がまとも

明月さん今日は

反論文として紹介されているのは、反原発運動によって結果的に潰された、原子力関係者が個人的に運営されていたサイトの内容を、有志の方が維持されているものです。

その辺の詳細は・・・下記のリンクが詳しい。
http://www.faireal.net/articles/6/12/#d20903

問題提起には、確かに最強のテキストかも知れませんが、意図的な誇大・すり替え・ウソの羅列は、反原発運動にとっても邪魔な存在になるはずです。
日本の反原発運動の総本山とも言うべき「原子力資料情報室にすらリンクされない」・・・このテキストがwebに出回って10年近く経つというのに・・・・これが事実を表していませんか?


知事抹殺から

佐藤栄佐久と原発で検索したら
http://www.asyura2.com/09/eg02/msg/139.html
http://www.asyura.com/09/eg02/msg/155.html
を見つけた。
東電OL殺人事件を思い出した。被害者が植草さんにダブって見えてくる。ここまで彼らはやるか。地熱発電が葬り去られ排出権取引に見られる地球温暖化の欺瞞がプルサーマル計画を後押ししている様に見えてくる。

「知事抹殺」のなかで、
第3章原発をめぐる闘い より引用始め
確かに「国に任せておけば安心だろう」「大きな会社だからきっと大丈夫だろう」「最新施設だから安心だろう」というような考えだけでは安全は確保することができない。原子力政策は国策だから安心と思っていると、実は核物質をバケツでかき混ぜていた、という「報い」になって跳ね返ってくる。「構造化されたパターナリズム」は、日本社会にすでに深く根付いているのではなかろうか。
引用終わり

第4章原発全基停止 より引用始め
もともと私は、原発について反対の立場ではない。プルサーマル計画については、全国の知事の中で初めに同意を与えている。そういう私が、最後まで許さなかった「譲れない一線」のことを、国や関係者はよく考えて欲しかった。
それは、「事故情報を含む透明性の確保」と、「安全性に直結する原子力政策に対する地方権限の確保」の二点であり、県民を守るという、福島県の最高責任者が最低守らなければならない立場と、同時に「原発立地地域と過疎」という地域を抱えていかなければならない地方自治体の長の悩みでもある。
引用終わり

「知事抹殺」では
度重なるデータ捏造や原子力発電の現場からの相次ぐ内部告発が知事を闘わせた経緯が表れている。そして冤罪汚職事件で賄賂性がないのに有罪判決になったが、腐った司法の問題も大きい。
CO2の25パーセント削減がプルサーマル計画を後押ししているように思える。本当にこのまま危険な原発に頼ることを安易に進めるにはあまりにも危険すぎる。

民主党は「安全を第一として、国民の理解と信頼を得ながら、原子力利用について着実に取り組む。」というマニフェストを誠実に守って欲しい。
ブルドーザーの様に「そこのけ、そこのけ」と原子力政策を進める従来のやり方はごめんです。

揚げ足取りで冷静になれますか?

明月です。
下記の「反論」に目を通してみました。ほとんど揚げ足取りです。亡くなってしまった平井さんには反論の反論をする機会はありませんが、少なくともこの「反論」にある、「原発を評価できるのは原発を知っている人間だけ」という技術ファシズムは、この氏名不詳反論氏の本性を現しています。
こんなものを呼んで安心するさいごの5周さんは、ひょっとして反論氏その人なのでしょうか。

衝撃的な内容でしたので、反論も呼んでみました。

いつも示唆にとんだ意見を読ませていただいております。今回も衝撃的な内容でした。しばらく放心していましたが、検証のひとつとして反論サイトも読みました。

以下の内容を読み、冷静さを取り戻しました。

http://user33.at.infoseek.co.jp/

No title

元福島県知事 佐藤栄佐久の「知事抹殺」をよんだ。
彼が冤罪で東京地検特捜部に逮捕され一審で有罪判決を受けたが、その原因を道州制に反対したことの他に、「原発をめぐる闘い」にあったようですね。
東京電力と国によるいい加減な原子力行政に対して県民の命を守る地元の首長の立場から闘った事が「佐藤栄佐久憎し」という感情を引き起こし、それから事件がつくられたようです。
国に逆らったら、、、と言う報復や見せしめは植草さんだけでは無かったようですね。
調査結果捏造やら事象(事故)隠蔽やプルサーマルに疑問を呈した佐藤知事の無念さが伝わってきます。
いま元知事は控訴して闘っています。

それにしても2人が自殺し、一人は自殺の後遺症で意識が戻らない。このような冤罪国策捜査を起こす特捜は解体すべき。これを命令したのはたぶんあいつだろう。

No title

技術者の手記、読ませていただきました。実情を考えると、原発は、絶対に安全、ではなく、必ず事故が起こる、というのが正しい認識ですね。

原発の不思議。

まったく、ご指摘の通りです。

そしてもうひとつ不思議なのは、原発がこれだけ頻繁な事故でしょっちゅう停止していながら、電力の供給には全く不都合がないということです。

電力会社は、原子力発電がなければ日本の電力供給が不足するようなことを宣伝してますが、現実には、まったくそんなことはないようです。

この点から見ても、原発はいらないと言えるのではないでしょうか。

ぜひ鳩山首相に読ませたい

「原発がどんなものか知ってほしい(PDF版289kb)」、読ませていただきました。技術者らしい簡潔平明な文章でとても説得力があり、ほとんどすべての行に驚くべきこと、認識を変えられるようなことが書かれていました。文章を読んでこんな経験をするのは初めてでした。最後の方は、溢れる涙と共に、本当に目玉が落ちそうでした。
ぜひこの文相を鳩山首相に、そして世界中の人たちに読んで貰いたいものだと思います。

No title

>庶民の指示は得られない。

これも、脱字ではないんじゃのう。
どういう意味じゃのう。
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