2010-08-22(Sun)

阿久根市長について考えてみる

竹原阿久根市長が風前の灯火だ。

警察の裏金を内部告発した「正義の人」を副市長に据えて、やや形勢逆転かと思われたが、リコール署名はほぼ成立確実。
前回の失職時は、復活を果たした竹原市長も、そろそろ年貢の納め時かもしれない。

ただ、マスコミで全面的に叩かれ続けている竹原市長なだけに、何か裏があるのではないか と考えないでもない。
本当は、真っ当なことをやろうとしているのに、手段が過激なせいで誤解されているのでは とか、伝わってくる話がマスゴミのデッチアゲなのではないか とか。
う~ん どうなのだろう。
ほんとうのところは、分かりようがない。


しかし、ある発言が、私の判断を促した。
すなわち、橋下徹の「竹原市長が大阪市長になったらすごいと思う」という、トンデモ発言だ。

「阿久根市長を尊敬」と橋下知事、大阪市長になったらすごい

2010.8.12 産経

これで、ある意味納得できた。
やはり、竹原市長はファシストなのだ と。

ファシストというと、軍服を着て強面で という映画なんかで見るナチスのイメージを思い浮かべる人が多い。
けれども、あれは、ファシズムの「結果」なのであって、ファシズムそのものではない。

むしろ、2.26事件なんかにも象徴的なように、ファシズムは「正義」の顔をして現れる。
庶民の困窮を救う「正義の味方」の顔をして現れるのである。

時の政治の腐敗を突き、法律や規則を超越して見た目の「正義」を実現しようとする。
まさに、橋下徹がそうであり、コイズミがそうであった。
「正義」を前面にかかげ、圧倒的な支持を基盤に、法律も規則も約束もぶっ飛ばして、強引なやり方を「当たり前」にしてしまう。

もう一つ、ファシズムの特徴は、差別である。
市民の中にある差別意識を、激しく燃え上がらせ、それをバネにして手続きをすべて無視することを正当化していく。
むしろ、市民に積極的に「参加」させる。

映画で見るファシストの姿は、その後の結果なのである。

一度、民主主義も法治主義もかなぐりすてて、「正義」であれば独裁OK になってしまうと、もう歯止めがきかない。
圧倒的に支持した市民は、自分のクビを締めていたんだ と気がついたときには、もう後の祭りである。

もし、竹原市長がリコールされ今度は落選したら、阿久根市の様々な腐敗は温存されるかもしれない。
けれども、仮にそうであったとしても、ファシズムは許してはいけない。
楽しくない比較だけれども、腐敗とファシズムだったら、腐敗の方が100倍マシだ。

しかも、清廉潔白を標榜するファシズムも、独裁が確立すれば必ず腐敗する。
その程度たるや、職員の裏金程度のかわいいものじゃない。


竹原という人は、もしかしたら本当に「良い人」なのかもしれない。
橋下徹やコイズミのように、狡猾に立ち回ることができないから、リコールという事態にまでなっている。
だからこそ、もっとも危険な人物であるといえる。

橋下徹が心酔するのはそこだ。
自分は人気取りに気を使ってあそこまでできないが、あんな風に思いっきりファシズムのやり方ができたらいいなあ、とあこがれているのである。

阿久根市のリコールの再選挙の行く末如何では、橋下や石原をはじめ、全国のファシスト首長たちが、妄動を激しくする可能性大。
あそこまでやって再選できるなら、俺だって、てなもんだ。

もし、竹原という人物が個人的には良い人だったとしても、もうしそうなら尚更のこと、落選してくれることを希うものである。


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No title

つまり、延々と腐敗民主主義が続くほうがまだ良いということですね。
民主主義絶対信仰の方々にありそうなご意見です。
だから、フセインの独裁が絶対悪で、民主主義国家の米国の一方的な大義のない戦争も正当化できるわけですな。
腐敗民主主義万歳!!

今記事のコメ欄は竹原工作員と、それに釣られた竹原儲が我が物顔で居座っていますな。

阿久根 竹原市長

竹原市長がやろうとしていることは民主主義をないがしろにしている議会や役所の否定だと思います。
ヒットラーやコイズミが行った民主主義をないがしろにするための議会運営ではなく。
市民懇談会の様子を見てみてください。
http://www.city.akune.kagoshima.jp/topic/mayer_room.html#2

逆に私は橋下知事の実態を知らないのですが、竹原市長の評価を決めるのにパフォーマーやサンケイの記事を基づくのは早計かとおもいます。よけいなお世話ですみません。

阿久根市の一新会

実は私も同じように疑問に思い、ネットでいろいろ調べたのですが、以下のようなことがわかりました。

1.阿久根市には一新会という市長を支持する人たちの集まりがあり、市議の中の何人か(少数派)が在籍している。
http://t-kouenkai.potika.net/blog/5.html

2.一新会に属する議員は前回の選挙で軒並み上位当選をしている。
http://epi-kun2008.sakura.ne.jp/?p=191

このことを見るだけでも、市長は少数派であるが、かなりの市民から支持されていることが事実のようです。こういった事実を報じないで、市長に対するネガティブキャンペーンを行うのは、なんらかしかの力が働いていると考えるのが自然かなと・・・

No title

そのまんま東が、このまま民主党政権になったらファシズムになってしまう、と言っていたのを思い出しました。

No title

下記に添付し忘れました。
http://www.city.akune.kagoshima.jp/osirase/koho/h22_4/4-5.pdf

No title

私は竹原市長に共感します。
竹原への批判は今のマスコミ(地方も中央も同じ構造)の保身からの攻撃ででしょう。まさに国政の縮小版ですね。マスコミと官僚にとって困る存在だから失脚させたいと同じです。市民のためなんて全くありません。売れる新聞と既得権温存のためだけでしょう。

リコールの署名集めは市長のブログにあった投稿からも地方の強い地縁による恫喝とも言えるような踏み絵的な署名にあると思います。リコールは有権者の1/3で成立ですが投票は全く別の行動ですから竹原再選は間違いないと思います。市民国民はしっかり見ています。
竹原市の自治労組織が既得権を守るために市議会議員になったり議員を取り込んで手なずけるやり方は菅首相に対する財務官僚と同じ構造です。

市議の報酬、特に市の役人の給料が民間からかけ離れ2倍、3倍になっている現状は明らかに公務員法違反です。公正公平ではありません。公務員法改正が国会では少しも進んではいません。信頼されない議員、信頼されない役人による行政ではこの国は崩壊したソ連と同じで、もう既になっていますね。

竹原市長は納税者の視点から、当たり前のことを当たり前にやっていると思います。税金で給料をもらっている人達は天から給料が降ってくる感覚ですからこんな借金や無駄遣いの国になりました。例を挙げるまでもありません。

住民税増税、国保の増税、等市議や役人の給与は同じ財布(一般会計)から出ています。国民には増税を押しつけ自らは人員の削減で逃れようとするやり方は市民の共感は得られません。サービスを減らして財政再建ですから。

日本全国で国民の不満は募っています。竹原市長のやり方がファシズムかどうかは全く意味はないのではないでしょうか。
その目的が広く市民の為にあるかどうかで判断するしかないと思います。
同じように、河村名古屋市長もそれほど過激では無いが市民税減税と地域委員の考えには共感します。

中央集権の官僚制度が特別会計を自らのために温存し一向に改革が進まず、それを900兆円を超える赤字と煽り増税を押しつけようとする連中にはもう騙されなくなりました。国民のための行政とは思えません。
市職員給料の多さに驚いた市民達(この公表も公務員法にかなったものです)は竹原市長をまた支持するでしょう。
議員、市職員は公僕なのですからあたりまえです。

いずれにしても竹原市長と河村市長には地方分権、地方主権、住民主権の観点から目が離せませんしもっと地方から色んなやり方が起こって欲しいですね。
色んな地域が色んなやり方で新しい地方を育て住民自ら地域を活性化する、その準備段階でしょう。

ただ弁護士の橋本知事は信用できかねますけどね。

No title

小泉はファシストからもっとも遠いタイプだよ・・

水道統合事業の迷走や中学校給食事業の不振、府市連携の挫折等、橋下氏の場合は政策に空振りが多いですね。
もう若さと支持率以外に大した売りがなくなってきてるような。
支持率維持に気を配るあまり、府民の顔色ばかりうかがって言動や政策方針をコロコロ変えている現状では、本人にしてはさぞや阿久根市長がうらやましいでしょう(国やマスコミ相手にはあいかわらず強気な発言を繰り返してはいますけれど)。

財政再建に思い切り力を入れるのであれば、府民税値上げや住民サービスの切り下げをせめて去年のうちにもう少し行っておくべきだったでしょう。
例えどんな非難を浴びたとしても。
時期をのがした感があります。

No title

竹原市長の行動の多くを肯定するのではありませんが地方議会や、地方公共団体の現況を良くあらわしています。良くも悪くも市職員の給与が阿久根市民の平均とかけ離れたものであったことを明らかにしたことでその責務の一環を果たしたといえよう。市役所職員の能力など隣人は皆知っている。このような点が竹原市長を支持する市民が半数近くいるのではないか。多くの市民はこのような地方公務員のあまりにも地域の実情とかけ離れた厚遇に怒りをもっているのではないか。地方主権の実現はこれから試行錯誤の連続で地域が良くなるのも悪くなるのも住民しだいだ。

No title

はじめまして。

竹原市長は結局のところ何がやりたいのかよく分かりません。
産業振興や文化振興について特に優れた独自アイディアがあるわけでもなさそうですし、ただ、市役所職員の待遇を悪くすれば市は良くなる、市議会の力を殺げば市は良くなる、みたいなことしか考えていないような?

竹原市長本人にその気はなくても、竹原市長がいなくなったとしても、弱体化した議会と市職員だけが残れば、それこそ「ファシズムへの地ならし」役を買って出ただけのような?
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