2010-09-08(Wed)
イスラエル、北朝鮮の動向から日本のリーダーを考える
民主党代表選を考えるにあたって、イスラエルの動向から見ておきたい。
なんや、えらい遠くのことやな、と思われるかもしれないが、残念ながら世界のテコの支点はイスラエルにあると言わざるを得ない以上、日本の最高権力者を決める話に決して無縁ではないはずだ。
まず、最近のイスラエルをめぐる動向
中東和平へ直接交渉再開 1年8カ月ぶり、前途多難
2010.9.3 共同
イスラエルのネタニヤフ首相とパレスチナ自治政府のアッバス議長は2日午前(日本時間同日夜)、ワシントンでクリントン米国務長官を交え3者会談を実施、直接和平交渉を再開した。
イスラエルにNPT加盟促す IAEA報告書
2010年9月3日 時事
国際原子力機関(IAEA)の天野之弥(ゆきや)事務局長は3日、事実上の核保有国とされるイスラエルの核能力に関する報告書を理事国に配布した。IAEAとしてイスラエルに核不拡散条約(NPT)加盟を促していく姿勢を強調している。
イスラエル軍、ガザ空爆 パレスチナ人2人死亡
2010年9月5日 朝日
イスラエル軍が4日、パレスチナ自治区ガザを空爆し、AP通信によるとパレスチナ人2人が死亡した。
「最短1年余で核爆弾製造可能」イラン IAEA報告書で英専門家
2010.9.7 産経
国際原子力機関(IAEA)の天野之弥(ゆきや)事務局長は6日、イラン核問題の報告書を理事会(日米など35カ国)に配布し、イランが査察活動を妨害する一方で、濃縮度約20%のウランを22キロ製造するなど濃縮活動を強化していると指摘した。
イラン攻撃ならイスラエル消滅=アハマディネジャド大統領
2010年09月6日 ロイター
イランのアハマディネジャド大統領は5日、イスラエルによるイランへのいかなる攻撃も、イスラエルの消滅につながると警告した。
ロシアとイスラエル、軍事協力強化で合意
2010/9/6 日経
イスラエルのバラク副首相兼国防相は6日、モスクワでロシアのセルジュコフ国防相と会談した。会談後、両国防相はロシアによるイスラエル製の武器購入の拡大やテロ対策での協力などを中心とする合意文書に調印した。
ロシア外相、IAEAに協力するようイランに忠告
2010.9.7 産経
ロシアのラブロフ外相は7日、イランは核問題で国際原子力機関(IAEA)に、より協力すべきだとくぎを刺した。
以上が、この一週間の動きである。
イスラエルは、そうとう追い詰められている。
なんと、禁じ手かと思われるロシアと手を結び、イランとの交渉を進めようとしている。
しかし、一番象徴的なのは、IAEAがイスラエルに加盟と査察を求めたことだ。
これはすなわち、アメリカが、すくなくともオバマ政権はイスラエルに自重を求めたと言うことになる。
米国内の強力なユダヤ系ロビーが、よくこれを許したと思うと同時に、ユダヤ系ロビーですら、絶望的に過激化する現在のイスラエルに危機感を感じているのかもしれない、という気もする。
アメリカからも「もういい加減にしてくれ」と言われ、イランからの圧力にジワジワと押され、パレスチナ人の抵抗は当然のことながら止むことはない。
そこで、窮余の策でうったのが、ロシアとの提携だった。
ロシアにしてみれば、一時の原油バブルを崩壊させられ、苦しい台所事情からの選択だったのかもしれない。
それにしても、ロシアとイスラエルが手を組むとは、まったく何が起こるか分かってものではない。
独ソ不可侵条約いらいの、複雑怪奇な現象だ。
さて、イスラエル、パレスチナ、イラン、ロシア、という一触即発の情勢が中東から東欧にかけてあるということを頭に入れて、こんどはアジアを見てみれば、これは中国のプレゼンスが日に日に増していくのを認めざるを得ない。
中台海峡がどうのこうのと言ったところで、いまや台湾は経済的に中国抜きでは生きていけない。
そして、注目すべきは、中国が北朝鮮に経済支援を約束したのではないか、という田中宇氏のニュースだ。
中国の傘下で生き残る北朝鮮
(略)北朝鮮は冷戦後、どこからも支援を得られず、欧米日から制裁されて窮し、核実験やミサイル発射などの暴挙によって米韓の気を引いて支援をせびるしかなかった。しかし今後、改革開放策が軌道に乗るほど、北朝鮮は経済的にも政治的にも国家破綻の可能性が低くなる。中国の保証があるので、米韓日に経済支援してもらう必要もなくなる(だから金正日は今回、訪朝した米国のカーター元大統領に会わず訪中した)。
(引用以上)
確定的なニュースではないが、可能性は非常に高いと思われる。
こうして、イスラエルをテコの支点とした中東情勢と、北朝鮮の情勢を見て見ると、やはり米中G2体制に移行しつつあるのだと考えられる。
アジアのことは、中国に任せて、中東~欧州に注力する、というのがアメリカ(少なくともオバマ政権)の基本姿勢であろう。
その流れの中での、日本の最高権力者を巡る戦いなのである。
本来ならば、イスラエルと結びつきの強い、アメリカの産軍複合体も、金融勢力も、徹底した対米従属を求め、意に沿わない者が日本の首相になることには、どんな手を使っても阻止しようとするはずだ。
これまでは、その意を汲んで、日本のマスゴミと、民主党内の対米ベッタリ議連は、反小沢キャンペーンに余念がなかった。
人格を疑うような下劣なネガキャンを、一国の首相がやってのけるという、オゾマシイ光景を、私たちは目の当たりにしてきた。
ところが、ここ数日で潮目が変わった。
以前に書いたように、まず産経から、次に日経が、反小沢の矛先を鈍らせている。
読売がオロオロし、朝日は右往左往し、今や反小沢の旗幟鮮明なのは毎日くらいである。
もちろん、アメリカも混乱している。ジャパンハンドラーズの連中も、一枚岩ではないはずだ。
G2体制に沿って動くのもいれば、これまで通り産軍複合体の意向に沿って動くのもいる。
だから、まだまだ全く余談は許さないが、菅直人のあの病的なまでに弱々しくオドオドとした目つきは、やはりご主人様に捨てられた飼い犬のものとしか思えないのである。
それにしても、世界の動きはすさまじい。
この激動の時代を生き抜いていくために、たとえベストではなくとも、時代認識をしっかり持って、信念を持った政治家をトップに据えることは、絶対に必要だ。
オドオドしっぱなしの菅直人では、ダメだ。
民主党のみなさん。あなたたちの一票に、日本がかかっている。
とんでもなく重たい責任感を持って、投票していただきたい。
心からお願いしたい。

にほんブログ村
なんや、えらい遠くのことやな、と思われるかもしれないが、残念ながら世界のテコの支点はイスラエルにあると言わざるを得ない以上、日本の最高権力者を決める話に決して無縁ではないはずだ。
まず、最近のイスラエルをめぐる動向
中東和平へ直接交渉再開 1年8カ月ぶり、前途多難
2010.9.3 共同
イスラエルのネタニヤフ首相とパレスチナ自治政府のアッバス議長は2日午前(日本時間同日夜)、ワシントンでクリントン米国務長官を交え3者会談を実施、直接和平交渉を再開した。
イスラエルにNPT加盟促す IAEA報告書
2010年9月3日 時事
国際原子力機関(IAEA)の天野之弥(ゆきや)事務局長は3日、事実上の核保有国とされるイスラエルの核能力に関する報告書を理事国に配布した。IAEAとしてイスラエルに核不拡散条約(NPT)加盟を促していく姿勢を強調している。
イスラエル軍、ガザ空爆 パレスチナ人2人死亡
2010年9月5日 朝日
イスラエル軍が4日、パレスチナ自治区ガザを空爆し、AP通信によるとパレスチナ人2人が死亡した。
「最短1年余で核爆弾製造可能」イラン IAEA報告書で英専門家
2010.9.7 産経
国際原子力機関(IAEA)の天野之弥(ゆきや)事務局長は6日、イラン核問題の報告書を理事会(日米など35カ国)に配布し、イランが査察活動を妨害する一方で、濃縮度約20%のウランを22キロ製造するなど濃縮活動を強化していると指摘した。
イラン攻撃ならイスラエル消滅=アハマディネジャド大統領
2010年09月6日 ロイター
イランのアハマディネジャド大統領は5日、イスラエルによるイランへのいかなる攻撃も、イスラエルの消滅につながると警告した。
ロシアとイスラエル、軍事協力強化で合意
2010/9/6 日経
イスラエルのバラク副首相兼国防相は6日、モスクワでロシアのセルジュコフ国防相と会談した。会談後、両国防相はロシアによるイスラエル製の武器購入の拡大やテロ対策での協力などを中心とする合意文書に調印した。
ロシア外相、IAEAに協力するようイランに忠告
2010.9.7 産経
ロシアのラブロフ外相は7日、イランは核問題で国際原子力機関(IAEA)に、より協力すべきだとくぎを刺した。
以上が、この一週間の動きである。
イスラエルは、そうとう追い詰められている。
なんと、禁じ手かと思われるロシアと手を結び、イランとの交渉を進めようとしている。
しかし、一番象徴的なのは、IAEAがイスラエルに加盟と査察を求めたことだ。
これはすなわち、アメリカが、すくなくともオバマ政権はイスラエルに自重を求めたと言うことになる。
米国内の強力なユダヤ系ロビーが、よくこれを許したと思うと同時に、ユダヤ系ロビーですら、絶望的に過激化する現在のイスラエルに危機感を感じているのかもしれない、という気もする。
アメリカからも「もういい加減にしてくれ」と言われ、イランからの圧力にジワジワと押され、パレスチナ人の抵抗は当然のことながら止むことはない。
そこで、窮余の策でうったのが、ロシアとの提携だった。
ロシアにしてみれば、一時の原油バブルを崩壊させられ、苦しい台所事情からの選択だったのかもしれない。
それにしても、ロシアとイスラエルが手を組むとは、まったく何が起こるか分かってものではない。
独ソ不可侵条約いらいの、複雑怪奇な現象だ。
さて、イスラエル、パレスチナ、イラン、ロシア、という一触即発の情勢が中東から東欧にかけてあるということを頭に入れて、こんどはアジアを見てみれば、これは中国のプレゼンスが日に日に増していくのを認めざるを得ない。
中台海峡がどうのこうのと言ったところで、いまや台湾は経済的に中国抜きでは生きていけない。
そして、注目すべきは、中国が北朝鮮に経済支援を約束したのではないか、という田中宇氏のニュースだ。
中国の傘下で生き残る北朝鮮
(略)北朝鮮は冷戦後、どこからも支援を得られず、欧米日から制裁されて窮し、核実験やミサイル発射などの暴挙によって米韓の気を引いて支援をせびるしかなかった。しかし今後、改革開放策が軌道に乗るほど、北朝鮮は経済的にも政治的にも国家破綻の可能性が低くなる。中国の保証があるので、米韓日に経済支援してもらう必要もなくなる(だから金正日は今回、訪朝した米国のカーター元大統領に会わず訪中した)。
(引用以上)
確定的なニュースではないが、可能性は非常に高いと思われる。
こうして、イスラエルをテコの支点とした中東情勢と、北朝鮮の情勢を見て見ると、やはり米中G2体制に移行しつつあるのだと考えられる。
アジアのことは、中国に任せて、中東~欧州に注力する、というのがアメリカ(少なくともオバマ政権)の基本姿勢であろう。
その流れの中での、日本の最高権力者を巡る戦いなのである。
本来ならば、イスラエルと結びつきの強い、アメリカの産軍複合体も、金融勢力も、徹底した対米従属を求め、意に沿わない者が日本の首相になることには、どんな手を使っても阻止しようとするはずだ。
これまでは、その意を汲んで、日本のマスゴミと、民主党内の対米ベッタリ議連は、反小沢キャンペーンに余念がなかった。
人格を疑うような下劣なネガキャンを、一国の首相がやってのけるという、オゾマシイ光景を、私たちは目の当たりにしてきた。
ところが、ここ数日で潮目が変わった。
以前に書いたように、まず産経から、次に日経が、反小沢の矛先を鈍らせている。
読売がオロオロし、朝日は右往左往し、今や反小沢の旗幟鮮明なのは毎日くらいである。
もちろん、アメリカも混乱している。ジャパンハンドラーズの連中も、一枚岩ではないはずだ。
G2体制に沿って動くのもいれば、これまで通り産軍複合体の意向に沿って動くのもいる。
だから、まだまだ全く余談は許さないが、菅直人のあの病的なまでに弱々しくオドオドとした目つきは、やはりご主人様に捨てられた飼い犬のものとしか思えないのである。
それにしても、世界の動きはすさまじい。
この激動の時代を生き抜いていくために、たとえベストではなくとも、時代認識をしっかり持って、信念を持った政治家をトップに据えることは、絶対に必要だ。
オドオドしっぱなしの菅直人では、ダメだ。
民主党のみなさん。あなたたちの一票に、日本がかかっている。
とんでもなく重たい責任感を持って、投票していただきたい。
心からお願いしたい。

にほんブログ村
- 関連記事
-
- 炎の決起集会+街宣の報告 & アルカイダに医療支援する日本(シリア内戦) (2013/06/17)
- アルジェリアの事件について (2013/01/21)
- ひねくれ者の役割 ・・・尖閣開戦のリアリティ・・・ (2012/07/17)
- 鳩山由紀夫のイラン訪問から見えてくるもの (2012/04/09)
- ビンラーディン殺害事件とウィキリークス報道の裏を読む (2011/05/04)
- 中国人船長の問題は、前原の自作自演だろう (2010/09/25)
- 徹底的に「序列」をたたき込まれる菅政権 (2010/09/22)
- イスラエル、北朝鮮の動向から日本のリーダーを考える (2010/09/08)
- こんなことが「普通」におきている・・・ (2010/08/14)
- 沖縄で海兵隊員が強姦未遂 (2010/08/04)
- アメリカが辺野古に執着する理由 (2010/06/19)
- 米上院軍事委員会と「聞く耳持たず」 追記あり (2010/06/04)
- ガザと辺野古の関係 (2010/06/01)
- 海兵隊は「アメリカに対する」抑止力 (2010/05/28)
- クリントン発言の変化 (2010/05/22)