2010-09-15(Wed)

またしても露骨な反小沢人事はあるか

これからの数日、民主党内は、小沢VS菅ではなく、これまで菅陣営だった者たちの内紛が始まるだろう。

菅陣営の多数派は、国民の生活はおろか、政治や思想ですら関心なく、ポストと利権と次の選挙の当落にしか関心のない連中が占めている。

官僚と結託することが、一番自らを安泰にすると言うことを、1年の間に学習した職業政治屋だ。

その一方で、前原誠司のような真性アメリカンエージェントと言うべき人間もいる。
この連中を、ただの職業政治屋と思っていたら、大間違い。
アメリカにしたがうという自分の使命に関してはブレない。

私の想像では、仙谷由人が職業政治屋を代表し、前原誠司がアメリカンエージェントを代表しているのではないか。

職業政治屋は、あくまでも反小沢、脱小沢を目指すだろう。
小沢一郎を名誉顧問か何かに祭り上げて、閣僚も党人事も、徹底的に報復人事を貫きたい。

しかし、前原は少々違う動きをはじめている。

前原国交相「国民の声、多くの議員が聞いた結果」菅氏再選
2010/9/14 日経

 前原誠司国土交通相は14日午後のテレビ朝日番組で、民主党の代表選で菅直人首相が再選されたことについて「今の総理を軽々に変えるべきではない。3カ月前に政治とカネの問題で辞めた人を認めるのはいかがなものか。そういった(国民の)声を多くの国会議員が聞いて判断した結果だと思う」と述べた。

 今後については「適材適所で政権交代の果実をしっかりと着実に実行していくに尽きる。(反小沢・脱小沢という)変な対立軸はまったく考えていない」と強調した。


(以下略)

いわば反小沢の旗手ともいえる前原にしては、おかしな発言だ。

「(国民の)声を多くの国会議員が聞いて判断した」という言い方にしても、聞きようによっては、「菅直人を積極的に支持したワケじゃない」と聞こえないこともない。

菅直人のチカラと政策は、前原たちのボスには評判が悪いのだ。
菅では、これから始まるアメリカからの強硬な要求に対して、右往左往するばかりで、アメリカにとっても益がないと見ている。
三ヶ月の間に、愛想を尽かされたのである。

要求されれば、あっさりとハイ!と答えるだろうが、それが国民にばれて非難ゴウゴウとなれば、あわててやっぱりダメと言い出しかねない。
それを、永遠に行ったり来たり繰り返す。

要するに、自分の保身しか頭にない。あまりに無能なのである。
そのことは、この代表戦を通じて、菅陣営の人間を含めて、よくよく分かってしまった。
菅直人と同レベルの人間はともかく、善悪は別にして、何らかの使命をもって政治に臨んでいる人間には、イヤと言うほど分かったはずだ。


分かりやすく言うと、アメリカは「たんまりと手切れ金をよこせ」と言っている。
それにたいして、職業政治屋は、これまでの利権にしがみついて、未練がましくアメリカの袖にすがっている。
アメリカは、「ええい はなさんか!」てなもんである。

ところが、前原たち忠実なるエージェントは、しっかりと手切れ金を払うために邁進するつもりだ。
手切れを前提にしつつ、しかし、国民の財産をガッポリと貢ぐことが使命だ。

これに対して、小沢氏が言ってきたことは、「手切れを前提に、少しでも手切れ金を少なくする」ということだ。

職業政治屋では、アメリカが「もう面倒見きれん」といくら言っても言うことを聞かないし、小沢ではゴリゴリと減額交渉してしまう。前原らにすれば、どちらも困るけれども、どちらかだけにするわけにいかない。


人事には、小沢氏を支持した陣営の意見はまったく入らないだろうが、菅陣営の中にも、かような対立がある。
これが、数日の間にキズを深めていくだろう。


それに加えて、代表戦でやらかした「ありとあらゆること」が表沙汰になってくる。
とくに、党員サポータ票の扱いについては、疑惑の嵐である。

きっこさんはじめ、多くの人が指摘しているように、投票率が異常に低い。
66.9%という、一般の国政選挙並みの投票率というのは、にわかに信じられない。

もともと政治に関心がある人の集団で、自分の一票が総理大臣を選べるというのに、3分の1が棄権するなんて、あり得ない。

前回の2002年よりも投票率が上がっているなんて読売は書いているが、政権交代は夢のまた夢だったころの代表戦と、首相を選ぶ代表戦を、同列で比較すること自体どうかしている。

もともとの34万人がウソなのか、往復葉書の郵送を大量にしていなかったか、そうでなければ投票された葉書がどこかへ消えたとしか考えられない。

11日必着というのも、やけに早すぎて不自然。
封書ではなく葉書というのも不用意すぎる。
開票を、投票日の午前1時からやっていたのも不自然。
議員が投票するまでに、サポータの結果は判明していたのである。

非公開と言ったって、第3者の選管ではなく、身内が情報管理しているのだ。
ばれない方がオカシイ。

こうした不思議なことが、ざっくざっくと出てくる。


もう一つおまけに、菅支持の議員の多くは、エサにつられて投票したのだから、エサを与えないとどう転ぶか分からない。
当選したまでは良いが、その後まで飼い続けるのは大変だ。


菅直人は、こうした状態で組閣と党人事をしなければならない。
この困難な問題を一人で解ける人間ならば、アメリカに愛想を尽かされたりはしない。
どう転んでも、独力で人事はできない。
できるはずがない。

当選直後の祝賀パーティーでも、「今日はそれ以上言うなとクギを刺されているので」と言ったらしい。
いったい、誰に釘を刺されたのか?

最後は、仙谷由人の勢力と、前原誠司の勢力に挟まれて、悶絶するであろう。
結果がどう出るかは分かりようもない。
が、それ次第では、もう一波乱ありそうな気がする。


ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

関連記事

trackback


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

いい加減、小沢一郎について白黒つけようじゃないか!

民主党のイメージダウンも相当  《政治資金規正法違反事件で、民主党の小沢一郎元代表が東京地検特捜部から4度目の事情聴取を受けたそうです。  一時は総理に・・・とかなりメディアに露出していたことから、もし総理になっていたらどうなっていたかと思ってしまいま

【日本一新】これからも支持をするのは「国民の生活が第一」を掲げる小沢氏のみだ【臥薪嘗胆】

 変節奸の再選というサプライズな結果に終わった民主党代表選であるが、早速変節奸は党と内閣の人事に着手したようである!  このうち、変節奸を操る「影の首相」たる阿波狸を初めとするお子ちゃま六奉行の大半が留任する感じであり、詰め腹を切らされるのは枝豆一匹だ

誰が勝って、誰が負けたのか?

これほど勤勉に、休まず、真面目に、一生懸命働いて、経済大国たらしめているにも関わらず、幸せを感じられず、年に3万人が自殺し、募金を頼らなければ高等教育が受けられない子どもが沢山いて、相部屋の老人ホームにすら入れない特養待機老人が40万人以上いる国。 それが...

comment form

管理者にだけメッセージを送る

comment

コロコロ→コロコロコロ

「首相をコロコロ変えるのは良くない」菅陣営唯一の「大義」だったが、こいつら結局、コロコロコロ位なら、3か月はとんでもないが、5,6カ月ならいいだろう、くらいは言いそうですね。

人事で分かる選挙の内実?

小沢さんは投票前の集会で捨石になると負けを前提とした発言していますね。
そして代表選で勝利した菅さんにも笑顔は無かった。
代表戦後、あの肛門様も小沢さんを敵対視した発言をしていません。同様に前原氏もそうですね。
そして僅かに議員票が菅さんが多いのも作為を感じます。
投票前に、挙党一致を条件に、菅続投で合意した可能性も捨て切れません。
挙党一致で合意することが民主党全体にとって一番いいことだからです。
小沢勝利が確定的な状況での、菅さんとの手打ちの可能性もあるのかも知れませんね。
人事でそれが判明すると思います。
生活フォーラム関西
なんとしても政権交代を!
20140723-3.jpg
カレンダー
08 | 2023/09 | 10
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
リンク1
貴重な情報をいただいています
(順不同)
リンク2
ブログ内検索
twitter
田中龍作ジャーナル
20140723-4.gif
ひとびとの経済政策研究会
松尾匡氏ら気鋭の経済学者による  政策提言と勉強会
ひとびとの
マガジン9条
パレスチナ・オリーブ
パレスチナで作られたオリーブオイルやオリーブ石けん。これはお勧め。
palestineolive.jpg
RSSフィード
blogranKing.net

カウンター
最近の記事
プロフィール

明月 こと 山岸飛鳥

Author:明月 こと 山岸飛鳥
木の家プロデュース 明月社 主宰
一級建築士
趣味 キコリ 畑
取り柄 貧乏
Email : info@mei-getsu.com

明月社のアルバム
明月社の作品や家づくりのアイディアなど ちょくちょく更新しています
アルバムLOGO
木の家プロデュース明月社
ホームページをリニューアルしました
meigetsusha.jpg
明月社へのご連絡

名前:
メール:
件名:
本文:

明月社 facebookページ
六甲菜園ブログ
郊外楽園プロジェクトの六甲菜園
rokkou-sides.jpg
おすすめの本
こんな時代だから、お薦めしたい本。アフィリエイトではありません。

自伝的戦後史(羽仁五郎) jidentekisengosi.jpg

おすすめの本 2
日本はなぜ「基地」と「原発」を止められないのか

nihonhanaze.jpg

おすすめの本 3
日本はなぜ「戦争ができる国」になったのか
nihonnhanaze2.jpg
おすすめの本 4
世界超恐慌の正体

sekaichoukyoukou.jpg

おすすめの本 5
そして、日本の富は略奪される

sositenihonnno.jpg

おすすめの本 6
コンクリートが危ない

conclete.jpg

おすすめの本 7
家を建てる。家づくりはたたかいだ

iewotateru.jpg