2010-11-06(Sat)

国破れてダーチャあり

このところ肩がガチガチにこって腰も痛い。膝まで痛みが出てきたので、近くの温泉に飛び込んだ。

一時間ぐらい、ぬるいお湯に浸かって、ベンチに横になって、そんなことを繰り返していたら、徐々に全身がほぐれてきた。
1ヶ月前に駅前の激安マッサージに行ったときは、30分以上激痛に耐えて、やっと少しほぐれてきたと言われたのに比べると、まだ今日のほうが少しマシ。

温泉に滑り込んだのには、もうひとつワケがある。
なにやら些細なことに妙に腹が立って、自分でもオカシイと感じていた。
私が肩こりになるときは、だいたいメンタルな原因であることが多い。

温泉の中でも、最初は子どもがバシャバシャ跳ね回るのもカンに障ったけれど、それも徐々に気にならなくなっていく。
どうやら平常心を取り戻した頃、ベンチに横たわって真っ暗な空を見ていたら、ぼやっとした光が右から左へ移動していく。
ど近眼の私の目には、不思議な光の空中移動に見える。

このままで良いのかな。
現役で働けるのはあと20年もないかもしれない。
俺は何をしたいのかな。

光を追いながら、そんな思いがよぎる。
そういえば、最近は目の前の仕事に追われて、「何をしたいのか」なんて考える余裕がなかった。
家を作る 設計する仕事は、大切な楽しい仕事だ。
でも、その仕事を通して実現する、私のミッションは何なんだろう。

反戦な家づくり と銘打ってこのブログも6年めに入った。
ほとんど家づくりのことは書いてこなかったけれど、実は、家づくりを通して実現したいミッションを、ずっとずっと考えてきた。

ミッションなんて言うと大げさだけれど、「こうなったらいいな、こうなってほしい」という思いは、誰しももっている。
そんな思いを実現させようとすることがミッション。

ほぐれてきた頭に浮かぶイメージは、「生きていて楽しいこと」
なんだか当たり前すぎて拍子抜けする。
なーんだ そんなことかいな。
湯の中でふふっと一人笑い。

別に毎日が苦しくて、楽しくないワケじゃない。
私自身のことを言えば、仕事が途切れる恐怖心を除けば、目の前はとりあえず楽しい。

が、何かが足りない。
熱がない。人の世の熱が足りない。
人の世に熱あれ 人間に光りあれ
西光万吉の言う水平社宣言は、部落解放にとどまらず、人間解放の原理を言い当てる。

良くも悪しくも人の世に熱のあるとき、人はラジカルな(深いところでの)喜びを感じる。
それは、あるときは戦争という恐ろしい結末へ誘導されるときもある。
その危険は分かっていても、しかし、人は深い喜びを求めて止まない。

だから、人の世の熱が、戦争や差別という人を壊す熱にならないように、人が生きる、生きていて楽しい熱になるように。
それが私のミッション。

3万人の自殺者の後ろには、30万人からの自殺未遂があるだろう。
30万の未遂の背後には、実行には至らない300万からの自殺願望があるだろう。
300万の自殺願望の背後には、3000万からの絶望や虚脱があるだろう。

家を作ることで実現するのは、3000万分の1。
もとより、一定の経済力のある人に限られる。
しかも、私のところに依頼してくれる人は、もともと虚脱や惰性とは遠い人が多い。

それでも、山の木の命のサイクルに、住み手も組み込まれていくことのダイナミズムは、そこに育つ子どもたちへの言葉にならないメッセージだ。
長い年月の中で、そこに住む人たちへの、気の長い伝言だ。

だから、一軒一軒の家を作るこの仕事は、一つ一つ大事にしていきたい。
この思いは変わらない。

その一方で、これだけで良いのか、という思いもつのる。
都市部で一戸建てを建てようと思えば、土地建物で4~5千万円くらいはかかってしまう。
東京圏ならばもっとかかる。
普通の人にとっては、一生を住宅ローンに捧げなくてはならない額だ。

もっと自由にもっと楽しく。
収入激減しているこの世の中で、どっこいこんな方法があるよ、という生き方、住み方を提案し実現したい。

それが、ロハスビレッジであり、菜園家族の構想だ。
小貫雅男先生の提唱する、週休5日の菜園家族という姿。
これは、衝撃的だ。

里山研究庵 ノマド

この中にある「菜園家族宣言」は、読むと元気が出る。
(PDFでダウンロードできる)
方法論はともかくとして、この道筋しかない と私は思っている。

残念ながら、一足飛びに週休5日にはならないので、どこから始めるかということを、ひねもす考えている。
参考になるのは、ドイツのクラインガルテンやロシアのダーチャ。

日本式に言えば別荘だけれども、日本の別荘というイメージとは大きく違う。
水道も電気も無い180坪ほどの郊外の畑に、自作の小屋を造って週末やバカンスを過ごす。

戦争中やソ連崩壊などの食糧危機を、このダーチャのおかげで生き延びてきた。
まさに、国破れてダーチャあり。

dacha.jpg
クラスノヤルスク滞在記より)

大学教授もデパートの売り子さんもみんな持っている。
なにせ、ソ連時代に無償で貸与されていたものが、ソ連崩壊で自動的に自分のものになったのだ。
日本の家庭菜園などとは分母が違う。

こうした文化を、お金のある団塊世代や富裕層だけでなく、私たち一般庶民の生活にしていきたい。
極便利な場所以外は、日本は土地が余りまくっている。
買い手も借り手もなくて、放置されている土地がてんこ盛りだ。

国土が小さいから土地が高い なんていうのはほとんどウソ。
仕事に通える範囲でも、エッと思うくらい安く土地は売られている。
もちろん、ちと不便だったり、急な坂の上だったりするけれども。

これに賃貸というモデルが加われば、あらゆる階層が菜園家族の一歩を踏み出すことができる。
ただし、賃貸はビジネスとして成立させるのがなかなか難しい。
これは検討中。

賃貸はしばらく難しいが、やす~く土地を買って小屋に毛の生えたような家を建てることは、今すぐでも可能。
180坪とはいかないが、70坪くらいの敷地に2~30坪くらいの畑が作れる。
30坪といえば、畑の単位で言うと1畝(せ)。
1反の10分の1だから、結構な広さがある。

一家に一畝が、これからのライフスタイル。
そこから、新しい楽しさの基準が始まる。

これまでの楽しさの基準は、あれこれきれい事を言っても、究極はお金があることだった。
これからも、それは無くなりはしない。
が、一家に一畝が定着すれば、ちょっとづつお金の呪縛から解放される。

週休5日にむけて、ジワジワと進んでいこう。
革命というほど激しくはないが、革命といえるほど根源的だ。

こんな生活をしてみたい方には、マジで情報提供します。
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ロシアではありませんが、東欧のごく普通の人から、夏休みになるとネットもできない「小屋」でしばらく過ごすと聞いたことがあります。ああ、これのことだったのかと納得しました。

> そんな思いを実現させようとすることがミッション。
> 人の世に熱あれ 人間に光りあれ
> 良くも悪しくも人の世に熱のあるとき、人はラジカルな(深いところでの)喜びを感じる。

チリ鉱山事故での救出劇が頭を過ぎりました。今の南米では、政治の場でもそういう熱い動きが高まっているようです。
それを伝えてくれるオリバー・ストーンの「国境の南」を、ニュースサイトDemocracyNow! Japanでも紹介していました。
http://democracynow.jp/submov/20100621-1
(動画は日本語字幕付き)
遠い国のことですが、米国の分断工作を撥ね付けて各国が互いに連帯を強めるなど、日本/アジアの先を行っている気がします。
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